投稿日:2016年7月15日
法務大臣の諮問機関である法制審議会が6月21日にまとめた「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案(案)」について、何度かに分け、実務家目線で斬っていきたいと思います。
今回は①『配偶者の短期居住権』
「遺産分割が終わるまでの間、配偶者が引き続きその被相続人所有の建物に無償で居住できるものとする」
夫が死亡した場合、妻が(子等)他の相続人から自宅を追い出されることなんてありますか???
別居していた妻が夫が死亡した途端自宅に舞い戻って来るのを阻止するなら分かりますが、今まで同居していた妻が追い出されちゃうことなんてあるのでしょうか?
あるから民法改正の俎上に乗ったのでしょうけど…そのことを明文化しないといけない世の中なんて…悲しい。
しかも「無償で」とあるから、逆に考えると「有償」で自宅に住まわせてもらっている妻がいるってことですか?
そもそも遺産分割が終了していないなら、不可分財産である不動産は相続人全員の共有財産な訳で、明文化しなくても相続人である妻の居住権は確保されていると思うのですが。
ちょっと背景が分かりませんが、家族関係の希薄化が明確になってしまったと認めるようで、複雑な心境です。
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