ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『私は妻なのよ!』

投稿日:2022年11月11日

以前、名義預金バリバリの奥様から相続発生後の手続きについて相談を受けたときのこと。

 

が亡くなり、相続人子2人計3人家族の仲良好で、子ども達は「全部お母さんが相続していいよ」と言ってくれています。

 

税理士と一緒に相続財産を洗い出した所、夫名義自宅不動産アパートだけで基礎控除額を超えることが分かり、相続税の申告が必要なことが判明しました。

 

問題はそこからです。

 

奥様専業主婦です。婚姻前働いたことはありません。実家から財産を相続したことも、から贈与を受けたこともありません。なのに金融資産6,000万円も持っているのです。ちなみに夫の金融資産500万円しかありません。

 

奥様「私が長年家計を管理してきた。お金のことは全てお前に任せると言われていたので、老後のために上手くやり繰りしてきた。昔は10年で倍になった時代もあったので上手に運用し今の金額になった。長年私名義で運用してきた結果今がある。なので、これは私のお金だ。」主張しています。

 

気持ちはよーーーーく分かります。

 

でも、「それが典型的な名義預金なんです。」と説明した所、

奥様「夫は毎晩お酒を飲み歩き、女の子のいるお店にも行ってたんでしょう。夜遅く急に会社の同僚を家に連れてきて、その度に私は夜食を作らされ、朝まで麻雀でうるさい夜を過ごしたことも一度や二度ではありません。休日はゴルフに出掛けてしまうので子どものことも相談できず、面倒なことは全て私に丸投げ。ずっと我慢の連続でした。欲しい物も買わず、老後のためにと思ってコツコツ貯めてきたお金です。これが全部夫のもの???なんでそうなるの!私は妻よ、私は何なの!」ブチギレてしまいました。

 

「名義が奥様であっても、夫からの贈与等の事実がなければ(名義に関わらず)所有者は夫であり、奥様名義の金融資産も相続財産になります。でも子ども達が「全部お母さんが相続していいよ」と言っているのですから、奥様が夫の財産を全て相続すればいいじゃないですか。しかも相続財産が1億6千万円以内ですから、相続税もかかりません。」と説明したのですが、「そういう話しじゃありません!」納得しません。

 

あくまで元々自分のお金であるとの主張を通したいようです。

 

子ども達「お母さんの主張通り名義預金を相続財産から外し申告していいか、税務調査で指摘されるとこうなりますよ。」と説明したところ、お母さんを説得してくれ、結局名義預金として相続財産に計上した上で全財産を奥様が相続することになったのですが、最後まで奥様は納得がいかず、ずっと「意味が分からない、あなた達の考え方はおかしい、間違っている」文句を言われ続けました。

 

はあ…、なんだかなあ…。

 

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