投稿日:2025年6月4日
令和7年5月31日(土)付の新聞に、『年金法案が衆院通過~発動時の損益分岐点は…~男性63歳・女性67歳』の記事がありました。
厚労省が試算した「年金受給総額の損益分岐点表」を見たところ、僕の年齢だとプラスになっていたのでラッキーと思いましたが、良く読むとどうやら国民年金(基礎年金)だけの人に関する試算のようで、厚生年金(報酬比例部分)が多い人はマイナスになるようです。
なんじゃそりゃ?
そもそも、日本の公的年金制度が「夫は会社員、妻は専業主婦、子は2人」を標準モデル世帯と設定し、世代間扶養(修正賦課方式)の考え方に基づき制度設計していることが全ての元凶なんです。
そんな家庭、周囲にいます?
ゼロではありませんが、最近ほとんど見ませんよね?
結婚しない、結婚しても子がいない、子がいたとしても1人だけ、妻も働いている…。
そもそも論(根底)からして無理なんです。
そこに、国民年金保険料を1円も払わず基礎年金を満額受給でき、かつ健康保険料を1円も支払わず少ない自己負担で医療行為を受けられる、専業主婦の特権「第三号被保険者」が加わり、働き方や生き方により損得が生じる結果となってしまっているのです。
自営業である夫を支え、一緒に働いた妻は毎月国民年金保険料(令和7年4月~月額17,510円、令和8年4月~17,920円)を40年間払い続けることで、ようやく満額の基礎年金(現在月額68,000円)を受け取ることができます。
一方、専業主婦の妻は国民年金保険料を1円も支払うことなく満額の基礎年金(現在月額68,000円)を受け取ることができます。
これって平等なの?公平と言えるの???
「自営業者は定年がないから高齢となっても働けるでしょ?」って考えているのかもしれませんが、そもそも自営業者は基礎年金しかもらえないんだから、年金だけで老後を暮らすのは無理ですよ。働き続けられると言っても、85歳になっても若い時と同じようにフルタイムで働くの無理でしょ。
「サラリーマンは定年があるから働ける年齢は限られている。だから年金を多くしないと」と考えているのかもしれませんが、人口減少・少子高齢化の進展により、高齢となっても働ける環境ですよ。
「サラリーマンの保険料は給与天引きだから取りっぱぐれなし」と厚生年金保険料をたくさん徴収しといて、今になって厚生年金の積立金を基礎年金の底上げに流用するって、後だしジャンケンにも程がある!酷すぎる!いくらなんでも都合良すぎ。
思い切って一度公的年金制度をぶっ壊せばいいのに。
自営業者だろうが、会社員だろうが、働き方や生き方に関係なく、一定の年齢になったら所得に応じた年金保険料を支払い、自分が払った保険料の額に応じた年金を受け取れるようにすればいいのに。
その方が納得感があるし、国民一人一人が自分の老後について真剣に考えるようになると思うけど。
もしくは、消費税を20~30%に引上げ、国民年金保険料の徴収をやめ、基礎年金は全て税金で賄うとか。基礎年金の上乗せは各自が納めた保険料から支払えばいい。
今が大事な政治家に決められる訳ないですけど。
結局そんな政治家を当選させ続けてしまっている我々がいけないんです。しかも、そのツケを被るのは我々ですから、結局我々がバカなんです。
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