投稿日:2016年1月12日
先日、相続手続きの現場でよく出てくる言葉として
「私は揉める気ないから」
をご紹介した所、一部の方から「もっと聞きたい」との応援メッセージを頂きましたので、調子に乗り、今回は【相続訳(*)】第2弾として、
「とにかく平等にして頂戴」
をお送りします。
*【相続訳】:英訳や和訳同様、ある言葉を相続実務用語に翻訳すること(吉澤が勝手に命名しました)
「とにかく平等にして頂戴」
相続手続きの現場でこの言葉が出たら、要注意です。
この言葉を信じ、本当に平等にしたら間違いなく揉めます。
と言うか、そもそも“平等”って何ですか?
金銭価値?処分価格?広さ?相続評価?
何をもって“平等”と考えるのか、まず“平等”の基準を作る所から始めないといけないので、“平等”にするのって物凄く大変(と言うか事実上無理)です。
ある意味<決めの問題>なのですが、全員が納得する“平等”の基準なんて、恐らくこの世に存在しないでしょう。
例えば、不動産と自社株を比較するなんて、柔道と剣道が試合するようなものですから、どちらが強いかなんて決められる訳ないじゃないですか。
「とにかく平等にして頂戴」の真の意味は、
「(世の中には色々な考え方があるんだろうけど)どんなモノサシで計ったとしても、必ず私が有利、でも一見すると平等に見える、そんな遺産分割にしなさいよ」
です。
類似的な相続訳として、
「平等の基準は、私のモノサシで考えなさい」
とか
「私が有利でも、第三者から見たら私が強欲な相続人に見えないような遺産分割にしなさいよ」
が考えられます。
つまり、“平等”と言う響きの良い言葉を巧みに使い、自分が不利にならないようなくさびを打ち込んでいるんです。
以前、恐ろしく仲が悪い姉妹の相談に応じた時、遺産の定期預金が5,000,121円で、相続人2人で割り切れないだけで揉めました。
とにかく相手より1円でも多くないと嫌なんだそうです。
「50銭僕出しましょうか」って冗談で言ったら・・・炎上しました。
相続の現場なんてこんなもんです。
法律や税金の話しで済めば話しは簡単です。
第3弾は
「先祖からの財産を守りたいだけなんです」
をお送りします。(←嘘です)
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