ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『唯一個別相談料を受け取らなかった案件』

投稿日:2017年10月23日

個別相談には色々な人が来ます。

 

親子や夫婦でコミュニケーションが取れている家庭は相続対策相談に応じてもスムーズですし、その後の具体的な対策も割とテンポ良く進みます。

ところが、「親だけが熱心」あるいは「子だけが熱心」な場合、事がスムーズに進みません。

 

先日、息子から「僕の父は開業医で相当な資産があるにも関わらず、相続対策にまったく興味を示さず何もしてくれない。先生から父に相続対策の必要性を説明してもらえませんか。」と相談がありました。

 

普通この手の話は上手くいかないケースが多いので断るのですが、間に入っている紹介者との関係から無下にも出来ず、駄目元の了承を頂いた上でお父様と面談することにしました。

 

お父様と息子、紹介者と僕の4人で面談した際、いきなりお父様から先制パンチを食らいました。

 

父親「貴方が有名な先生ですか?相続の世界では凄いらしいですね。立派なもんだ。最初にお断りしておきたいのですが、僕は死にませんから。」

当方「え、死なないんですか?」

父親「ええ、絶対に死にません。ではどうぞ。」

当方「・・・・・」

 

頭が真っ白になりました。

どんな相談や質問があってもそれなりに何とか答える自信はあるのですが、さすがに死なない人がこの世にいるなんて僕の辞書には書いてありませんでした。

 

その後、お父様とどのようなやり取りがあったのか、何を助言したのか記憶がありません。

 

後日紹介者に「僕、あの時僕何言ってました?」と聞いた所、

「先生が『毎年110万円ずつ3人へ200年続けて贈与すれば6億6千万円財産を減らせます』と提案し、お父様が『なるほど、良い案だ。検討しよう。』と言ってました。」とのこと。

 

さすがに個別相談料は受け取りませんでした。

 

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