投稿日:2020年8月17日
僕はトヨタの車に乗ってます。僕は「その車が欲しい」と最初から自分で決めていたので、その車を買う前提でトヨタのディーラーに自ら出向き、グレードや装備について営業の方に相談し購入しました。
もし「そろそろ車を買い替えたいけど、何にしようかなあ…」と悩んでいる状態でトヨタのディーラーに相談したらどうなるでしょうか。
間違いなくそのディーラーで取り扱っているトヨタ車を勧められるでしょう。
つまり、どこに相談するかによって、最初から答えは決まっているのです。
だって、トヨタは【トヨタ車】と言う商品を販売している会社ですから。
自宅にトヨタの営業マンが訪ねてきた理由は、トヨタ車を売るためです。
車の買換えについてトヨタに相談し、日産を勧められると思いますか?
「トヨタのこの車を買うんだ!」と決めている人だけ、最初からトヨタに相談すればいいんです。
これ、相続でもある話なんです。
地主が「相続対策の一環として更地にファミリータイプのマンションを建てる予定なのだが、間取りはどうしたら良いだろうか?」なんて相談すると思いますか?
地主からの相談は「相続対策として何か良い手はないか?」ですよ。
「相続対策として何か良い手はないか?」とハウスメーカーに相談したら、間違いなく「アパート建てましょう」と提案されます。
だって、建てることが仕事の会社ですから。
信託をビジネスにしている人に相談したら、「認知症対策として信託を組成しておいた方が安心です」と勧められるでしょう。
だって、組成することにより報酬を得ている人ですから。
つまり、どんなことでも、特定の商品やスキームを売っている人に相談したら、(他に別の対策案があったとしても)答えは決まってます。
自分の中で「この商品を買うんだ」と決めているなら、その商品を扱っている人に相談しましょう。
そうじゃなくて、抱えている問題や悩みに対する助言や解決策を求めているのであれば、特定の商品やスキームを扱っている人ではなく、中立的な立場の人に相談しましょう。
相続コンサルタントの仕事は、色々な角度から問題点を洗い出し、相談者すら気付いていない潜在的なニーズを掘り起こし、その解決策について助言することです。
具体的な対策案の中には商品やスキームが存在しますが、(本物の)相続コンサルタントは自分が売りたい特定の商品(があったとしても、それ)は横に置き、費用対効果や相談者の納得感、理解度等を総合的に検討し、相談者を向いて最適な案を考えます。
最初から答えが決まっていたら、それは<助言>ではありません。
<販売>です。
相談者は商品を買いに来ている訳ではありません。
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