投稿日:2021年3月26日
令和3年3月16日(火)の新聞に『独り身高齢者 安全網に隙~身元保証代行、不透明契約相次ぐ~葬儀費用?死後「全財産譲る」』の記事がありました。
今後“お一人様”の高齢者が増えるにつれ、この手の問題が顕在化するのは間違いないと思います。
●老人ホームで暮らす女性が、身元保証請負会社と、死後に預金全額を譲る契約を結んだ(名古屋)
●認知症の女性が、専門業者と、身元保証や財産管理を委ねる契約を締結した(京都)
高齢になると、持ち家じゃない場合の住居をどうするか、財産管理をどのように行うか、相続後の手続きをどうするか等、悩ましい問題に向き合わなければなりません。
家族がいて、しかも同居だったり近所に暮らしていれば何とかなりますが、家族がいない、いたとしても離れて暮らしている、家族が不仲等、各家庭にはそれぞれ“事情”がありますので、その場合自力で何とかするしかありません。
頼れる身内がいない場合、お金で解決することになります。
そこにつけ込むビジネスが増加している気がします。特に「法的には罰せられないが、モラルとしてはアウト」的な手口で、独り身高齢者と言う弱者をないがしろにしている事案をよく耳にします。“分かってやっている”としか思えません。
例えば、過去に当社が相談を受けた事案でも、
●信託を組む必要がないのに信託を組成し、相続コンサルタントへ多額の手数料を支払った。しかも不備だらけ。
●財産管理名目でまとまった資金を司法書士に支払い、しかもその後何もしてくれないのに毎月支払いがある。
●施設の事務長が入居者の財産を遺贈で取得している。
●遺言作成、相続試算等の名目で、ありえない位高額な報酬を相続コンサルタントへ支払っている。
●110万円の贈与と養子縁組を提案しただけで税理士法人から多額の報酬を請求された。
等がありました。
報酬は自由に決められますので、互いに合意すれば問題ないとは言えますが、モラルに照らし合わせた場合、どうなんでしょうか?
「銀行に行けなくなったら困るから」「老人ホームに入所した後も面倒を見て欲しい」「保証人がいないとアパートや老人ホームに入れない」と弱みにつけ込み、法外な費用を請求し、かつ「死人に口なし」(失礼m(__)m)的に相続財産をせしめようと策を講じる輩もいるようです。
で、どうするか?
月並みですが、頼れる身内がいない場合、
●元気なうちに対策を講じておく
●セカンドオピニオンをつける
だけでも身を守れます。
「自分の身を守れるのは自分だけ」
いつか来るその日のために、今できることを考えましょう。
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