投稿日:2024年4月2日
令和6年3月28日(木)、同29日(金)と2日続けて新聞に老朽化するマンションに関する記事がありました。
『老いるマンション(上)~そして誰もいなくなった~空き家848万戸、56%が共同住宅』
既に社会問題と化している老朽化したマンションですが、今後更に深刻な状況になるのは間違いありません。
記事では、「全国で築40年超のマンションはおよそ20年後には3.5倍の445万戸に増える見通しだ。」とあります。
そりゃそうでしょう。人口減少に逆らうように次から次へと建てられているのですから、築年数が経過した古いマンションが増えるのは当たり前です。
「東京都が1983年末以前に建てられたマンションを対象に実施した調査によると、9400棟のうち16%で管理不全の兆候があった。」
管理不全=終わっている物件ですね。
「総務省によると全国の空き家848万戸のうち、半数以上の56%を占めるのがマンションを含む共同住宅だ。誰もいなくなった「空きマンション」が問題の核心にある。」
建物が新しくなることは絶対にありませんから、築浅好きな日本人は古いマンションに興味を示すことはなく、ゴーストマンションが増えていくのです。
「マンションは管理組合が十分に機能しなければ負の資産になる」
「マンションは管理を買え」と言われるように「マンションの良し悪しは管理で決まる」のが定説ですが、いくら管理組合がしっかりしていても、マンションの保有者が高齢だったりお金がなかったりだと管理費が集まらず、修繕積立金も貯まらず、先立つものがなければマンション全体の価値が下落してしまいます。
「将来を見据えて資産価値を高めようと建て替えに前向きな若い世代と、貯金を老後の生活費に回したい高齢者層では住まいへの要求は異なる。」
自分だけではどうにもならないのがマンションです。こちらが長期的な視野に立ってお金をかけるべきと主張しても、他の所有者が目先の事しか考えなければ何もできません。
「国交省によると、築10年未満の住戸のうち世帯主が70歳以上の割合は8%だった一方、築40年以上では48%に跳ね上がった。」
先行きが見えていますね。
僕は「マンションの価値は保有者及び入居者の属性で決まる」と思っています。
戸建て住宅であれば、家屋の老朽化は所有者だけに責任があり、解決したければ自らがお金を出して何とかすればいいのですから、「できる」・「できない」は別にして責任の所在が明確です。
一方マンションは、自分だけが頑張っても他の所有者の足並みが揃わなければ何もできず、最悪老朽化していくのを待つだけの状態になるのです。
自分が悪くなくても責任を取らせられる…ある意味昔の体育会、連帯責任ですよね。
マンションは、この一蓮托生的な運命共同体であることを覚悟した上で購入すべきです。
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