投稿日:2024年10月30日
僕は、個人的な意見として「老老相続」の問題(※)を解決するためには生前相続がいいのではないかと思っています。
※「老老相続」とは、被相続人の高齢化(死亡時の年齢が上がっている)により、相続人も高齢になっている問題のこと。「老老相続」により相続人が遺産を貯め込み、遺産が消費に回らないことにより景気に悪影響を与え、お金を持っている高齢者を狙った事件や無駄な金融商品の販売が増えている。
具体的には「変形家督相続」です。
現在は死亡だけが相続の原因ですが、民法が改正される前の家督相続の時代は隠居や分家、入夫婚姻(婿養子)等、死亡しなくても相続することができました。
つまり、死亡する前に相続が開始する生前相続が可能だったのです。
もし今生前相続が可能になれば、死亡するまで相続を待つ必要がありませんから、遺産が「生きたお金」として消費に回りますし、高齢者を狙った事件も防ぐことができます。生前相続が実現すれば「老老相続」の問題を解消することができるのです。
また、家督相続の時代は、長男は親と同居し、終生親の面倒を見て、お墓を守り、親戚付き合いをし、その代償として大事な財産である先祖代々の田畑を全て承継することができました。
つまり、義務を果たす(親の面倒やお墓の管理等)ことにより、権利を得る(先祖代々の資産を承継する)ことができる制度だったのです。
ところが、今は単純法定相続ですから、義務を果たさなくても法定相続分の財産を相続することができてしまいますし、親が遺言を残しても「子だから」という理由だけで遺留分を請求することができてしまいます。
親が死亡した後だと「言った・言わない」「当時ああだった・こうだった」等当事者である親がこの世にいない状態での話し合いになりますから、いくら法的に有効な遺言があっても争族は避けられません。
しかし、親が元気なうちに相続が開始する生前相続であれば、相続人である子の誰かが文句を言っても、親の口からきちんと説明できますので「言った・言わない」「当時ああだった・こうだった」等が生じず、余計な争いを回避することができるはずです。
ただし、昔の家督相続は男尊女卑を背景にした長男独り占めの制度でしたので、そこは改めるべきだと思います。今の時代にそぐわないですから。
僕が提唱する「変形家督相続」のポイントは次の2つ。
①生前相続を可能にする ⇒ 「老老相続」問題を解消、争族の回避
②義務を果たした相続人だけが権利を得る ⇒ 本来の相続の趣旨を果たす
いかがでしょうか?
2022.5.16
2024.7.4
2020.2.4
2024.12.4
2015.12.14
2024.12.9
2017.4.23
2020.1.4
2020.7.29
2024.10.7
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE