投稿日:2024年12月9日
社会保険料削減スキームってご存知ですか?
社会保険料削減スキームとは、健康保険や厚生年金の保険料の計算する上での基準である「標準報酬月額」及び「標準賞与額」に上限が設けられていることを利用し、年収の大半を賞与とすることで社会保険料の総額を削減することができる仕組みです。
「標準賞与額」の上限は、健康保険573万円、厚生年金150万円に設定されており、上限を超える部分について社会保険料はかからないことを悪用したスキームです。
そのため、同じ年収1,200万円の人でも、毎月100万円もらっている人と、毎月10万円+賞与1,080万円をもらっている人では社会保険料の額が大きく異なることになります。
更に、社会保険料は労使折半(雇用主と従業員が½ずつ負担する)ですから、会社側の負担も軽くなるので社長さんも大喜びです。
尚、役員賞与は原則損金(経費)となりませんが、事前確定届出給与の対象とすることで損金算入(経費化)が可能となります。
そこで、一部の保険募集人が社労士や税理士とタッグを組み、中小法人の社長の懐に入る手段の一つとして提案しているようです。
デメリットとしては、毎月の給与を引き下げてしまうと、将来その役員が退職した場合の最終報酬月額が低くなるため、役員退職金の額が下がってしまうことが挙げられます。
厚生労働省の社会保障審議会(医療保険部会)では、社会保険料削減スキームを封じ込めるべく、「標準賞与額の上限引上げ」が議論されています。
個人的には、姑息な手段で目先の小銭を稼ごうとズルイ抜け道を模索する前に、本業を頑張ればいいのに…と思いますが。
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