投稿日:2025年1月6日
令和7年1月4日(土)付の新聞に、『「マルサの世界」バブル後も脈々~地面師暗躍、欲望限りなく~国のために地上げやってるんだ』の記事がありました。
土地所有者になりすまし勝手に土地を売買してしまう犯罪集団である「地面師」
昔からある犯罪方法の一つですが、世間一般にその名が浸透したのは「積水ハウスが55億円もの大金を騙し取られた五反田事件」やネットフリックスのドラマ「地面師たち」のヒットのせいではないでしょうか。
記事では、地価の高騰に伴う「地面師の暗躍」と「息を吹き返した地上げ業者」について書かれています。
その原因は、都心部ではホテルやタワマン需要、地方ではインバウンド関連。
1988年(昭和63年)に公開された映画「マルサの女」では、悪質な地上げ業者が、立ち退きに応じない地主に対し、ダンブカーで突っ込んだり、獰猛な大型犬を近くで飼ったり、音楽を大音量で流したり、鳴りやまないイタズラ電話等、どちらかというと直接的かつ暴力的な方法で嫌がらせを繰り返していました。
僕が社会人になったのが平成元年、まさにバブルピーク。入社したのはバブルで頂点を極めた土地と株式の両方をメイン商品として扱う信託銀行。
そこから地価及び株価は下り坂になるのですが、それでも平成6年頃まではまだ世の中にバブル末期の香りが色濃く残り、土地神話を信じて疑わない危ない人達がたくさん残っていました。
当時まだ僕は駆け出しでしたので直接案件に携わることはありませんでしたが、先輩や付き合いのある業者から聞いた話だと、ネスミの背中に火をつけて放す、隣の部屋で鶏を飼う、定期的に汚物を投げ入れる、アパートの空室に浮浪者を入居させる等、やりたい放題だったこともあったそうです。
もう少しソフトなやり方(?)だと、ジェラルミンケースに億単位の現金を入れ見せる、朝雨戸を空ける前から立っておく、夜中になっても帰らない、今日印鑑をくれないならここで死にますと包丁を見せる、家族を連れて買い物先や旅先までついていく等もありました。
今の世の中こんなことしたら即アウトですが、最近は法に触れないギリギリの陰湿な迷惑行為による地上げが目立つとのこと。
例えば、共用部であるビルの出入り口付近に生の肉や魚をつるす、目の前の公園に朝から晩までずっと居座り監視する、隣の空き地にガスコンロを持ち込み一晩中酒を飲んで騒ぐ、タバコや花火・ネズミの死骸等を投げ入れる、対象物件を一晩中電飾で照らす、発電機の音で困らせる等。
なんだかな…という感じですが、いつの世の中も弱みに付け込む輩はいますし、悪いことしてでも楽して儲けようと考える人はいますので、気をつけましょう!
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