投稿日:2024年9月30日
令和6年9月17日(火)、国土交通省から令和6年の基準地価が発表されました。
インバウンドや工場誘致等により地価の上昇が地方にも波及している実態が浮き彫りとなりました。
『基準地価、地方32年ぶり上昇~訪日客増・半導体が起点~北海道・熊本で伸び』
『全国平均3年連続プラス~基準地価1.4%上昇~再開発押し上げ』
基準地価は公示地価との比較でよく活用されます。
どちらも行政から発表される土地取引を行う際の標準的な価格(公的な地価)ですが、公示価格は毎年1月1日時点の地価について国(国土交通省)が調査するのに対し、基準地価は毎年7月1日時点の地価について都道府県が調査します。
対象や地点が微妙に異なるものの、半年間の地価動向を探る有益な指標となります。
今年3月中旬に発表された公示地価は1月1日時点における地価ですので、能登半島地震による影響は加味されていませんでした。
これに対し、今回発表された基準地価の調査時点は7月1日ですので、能登半島地震の影響が加味されています。
その結果、地価の下落幅が大きかった住宅地の全国10地点は全て石川県でした。また、商業地の下落幅が大きかった全国10地点のうち9地点が石川県でした。
『被災地で下落目立つ~地震・豪雨~石川・輪島や福島・いわき』
震災の影響を除くと、全国的には多くの地点で上昇しています。
住宅地では、インバウンドによる海外訪日客の増加が著しい長野県白馬エリア(白馬村、大町市、小谷村)や北海道ニセコエリア(ニセコ町、真狩村)、半導体工場の誘致に成功した熊本県菊陽エリア(菊陽町、大津町)等の地価が大きく上昇しています。
商業地では、東京の渋谷エリアや浅草界隈、大阪駅周辺の再開発エリア、博多駅周辺等、多くの地点で上昇しています。
「地価が上昇する=資産価値が上がる」と考えたらいいことですが、高過ぎて買いたくても買えない、持っていると保有コスト(固定資産税等)の負担が重い、相続税が高くなると考えると、地価の上昇が喜ばしいことかどうかは人によるでしょうね。
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