投稿日:2015年7月31日
本日平成27年7月31日(金)付の新聞に『日本人の昨年平均寿命 最高を更新』の記事がありました。
「長生き」は良いことです。
が、超高齢化が<相続>にもたらす影響について考えてみたいと思います。
日本の公的年金が国民皆年金となった昭和36年当時の平均寿命は「男性67歳」「女性70歳」でした。
父親が67歳で死亡した場合、恐らく子の年齢は「40歳前後」、母親が70歳で死亡した場合、恐らく子の年齢は「45歳前後」だったのではないでしょうか。
つまり、子を基準に考えると、自身の子(親から見たら孫)に学資がかかる、住宅ローンが大変等、一番お金がかかる時(必要な時)に<相続>が発生したことになります。
昔はお金が必要な時に世代交代<相続>が発生し、上手く「お金が回る」状態だったんですね。
ところが、現在の平均寿命は「男性80歳超」「女性は86歳超」ですので、子が「55歳~65歳」のあたりで<相続>が発生することになります。
その時の子の状況はどうでしょうか?
●子(親から見たら孫)は既に社会人になっているため学資がかからない
●住宅ローンは退職金で完済した
●老夫婦で悠々自適
状態ではないでしょうか。
子自身が高齢(予備軍)になってから<相続>が発生しても、相続財産は自身の老後資金として「貯蓄」に回されるだけで、市場で消費される可能性は低いでしょう。
たまに孫にお小遣いをあげる程度かもしれません。
これでは景気に良い影響を与えません。
そこで、「相続時精算課税制度」や「直系尊属からの暦年贈与の贈与税軽減」、「教育資金の一括贈与」等、<相続>が発生する前に下の世代にお金を使わせる方策が取られているのです。
昨年生まれた女の子の半分が90歳まで生きる時代になりました。
老後のためにお金を貯めておくことは大事なことですが、そもそもお金は「使うもの」ですから、必要な時に、必要な所へ、上手くお金を運べるよう、親子で考えてみてはいかがでしょうか。
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