投稿日:2016年3月29日
今週発売の大手会計専門誌に『法人から個人へ名義変更した“低解約返戻金タイプの保険”に注意』の記事がありました。
問題となっているのは、外資系生保会社が中心となって販売している『低解約返戻金型逓増定期保険』の税務上の取扱い。
1.法人で契約
2.「解約返戻金」が低額のうちに役員(個人)へ契約者変更(名義変更)
3.役員(個人)が最後の年の保険料を支払った後に解約
4.役員(個人)の所得税の負担が大幅に軽減される
「所得税基本通達」に沿った課税処理ですので形式的(手続き的)には問題ありませんが、節税以外に目的はなく、個別の事実関係によっては、経済合理性の観点から「役員(個人)が得るメリットが大き過ぎる」と税務上否認される可能性もありそうです。
この「節税スキーム」に力を入れている生命保険関係の皆さん、ご注意下さい!
特に、過去販売し「そろそろ名義変更のタイミングですよ」なんて単純にアナウンスすると、結果によっては一気に信頼を失う、と言うか、状況によっては訴訟リスクもあるでしょうね。
税務上の否認リスクを恐れ名義変更しない場合でも、当初の加入目的が節税だけであり、「大丈夫です」「問題ありません」と言う説明を信じて契約していたとしたら、「そもそもの目的を達成出来ない」として色々とトラブルに発展する可能性もあると思います。
いつの時代も、「節税スキーム」はその後の改正リスクを多大に含んでいます。
後で大きなしっぺ返しを食らう可能性もありますので、取組む前に税理士等の専門家を交え「将来のリスク」についてしっかり説明しましょう。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE