ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『いいようにやられちゃってますね』

投稿日:2016年7月8日

先日相続対策の相談に乗った首都圏近郊在住のお客様、自宅周辺に複数の土地を所有する地主であり「相続対策」に敏感な方でした。

 

保有財産について伺うと、所有している土地の「場所」と「数」は分かるものの、「評価額」はもちろん「時価」も(使い分けを含め)知らず

借地あり、底地あり、賃貸物件あり、資物件あり、共有名義あり、使用貸借あり、それなりに賑やかな感じ。

金融資産も二転三転し、結局「どこに」「いくらあるのか」はっきりせず

名義預金の香りもプンプン匂います。

 

現状把握が全く出来ていないにも関わらず、「相続税だけは払いたくない」と、土地神話が継続しているかのように土地を買いアパートを建築し、を繰り返してきたそうです。 

つまり、「相続対策=節税」

 

今までやってきたことを教えてもらった所、次のような感じ。

まず、不動産会社「土地が欲しい」と言うと、自宅周辺の土地を勧められ、駅から遠くても賃貸物件の先行き見通しが厳しくても周辺の地価や家賃が下落傾向にあっても、とにかく自宅から近い土地の購入を勧めれ、<元々土地大好き><自宅周辺は日本一>と思っているから勧められるがまま気持ちよく買い続けたそうです。

次に、不動産会社が連れてきた建築会社がアパート建築を勧め、それも周辺環境に合わない豪華なグレードの建物を猛プッシュ、費用対効果を無視した事業計画を見せられ、見た目かっこいい賃貸物件を建築したそうです。

そして、建築会社とセットの銀行は、手許金融資産が潤沢にある場合でも「借りた方が相続対策になる」とローンを勧め、一方預かっている金融資産は1円も取り崩させず投信や保険に振り替えられたそうです。

更に、建築会社と銀行が連れてきた税理士は、「会社を作りましょう」としか言わないそうです。

 

これって、社会的弱者を狙った振り込め詐欺集団とやっていること変わらなくないですか?

違いは「法的に問題があるかどうか」だけ。

「法さえ犯さなければ何をやっても大丈夫」と、自分達の利益しか考えないスタンスは、根底に流れる血に同じ匂いを感じます。

(まるでどこかの知事みたい)

 

会社名を言えないのが残念ですが、言えば分かる有名な会社ばかりです。

 

●不動産会社→土地を購入してくれる有難い人

●建築会社→豪華なアパートを建ててくれる有難い人

●銀行→お金を借りてくれ、かつ手数料が高い商品を購入してくれる有難い人

●税理士→法人を含め顧問先になりそうな有難い人

 

当方からの助言は極々シンプル。

①不要な土地は今すぐ売却

②借地や底地の権利関係は今すぐ整理

③相続税納税資金以外の金融資産は今すぐ取り崩し借入金返済

④今年から現金を身内にドンドン贈与

⑤今後、笑顔が素敵な人が近寄ってきたら疑う

⑥自信がないならセカンドオピニオンをつける

 

さて、チヤホヤされてきた高齢者が僕の助言の通り出来るかなあ…無理だろうなあ…。

 

悪い奴

メールアドレスを登録

相続実務研修吉澤塾

  • 半年コース

1日コース

  • 一日集中講座
  • 事業承継一日講座
  • 民法改正一日講座

お客様・参加者の声

ブログ「相続の現場から」

相続診断協会

pagetop