投稿日:2017年10月4日
相続人間で遺産分割を話し合い、合意した証として「遺産分割協議書」を締結したところ、後日多額の“相続財産漏れ”が判明しました。
そこで、もう一度最初から話し合うことにしました。
さて、遺産分割のやり直しは可能でしょうか?
弁護士に相談したところ「可能です」と言われました。
ところが、税理士に相談したところ「駄目です」と言われました。
?????
実は、どちらも正解なんです。
最高裁は「共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて分割協議を成立させることができる。」と判決しています。(平成2年9月27日)
つまり、「皆の足並みが揃うならやり直し可能」と言っています。
一方、国税庁は「(省略)ただし、当初の分割により共同相続人又は包括受遺者に分属した財産を分割のやり直しとして再配分した場合には、その再配分により取得した財産は、同項に規定する分割により取得したものとはならないのであるから留意する。」と示しています。(相続税基本通達第19条の2-8)
つまり、「やり直しは勝手だけど、やり直しにより取得した財産は、相続により取得したのじゃなくて、相手から贈与もしくは交換により取得したことになるから気を付けてね」と言っています。
実務としては、
・やり直しは相続税申告期限の前なのか後なのか
・合意解除に至った理由は何なのか
等を総合勘案しないといけないのですが、
安易なやり直しは余計な税負担が生じてしまう可能性がありますので、ご注意下さい!
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