投稿日:2020年4月13日
ある中小企業オーナーから「銀行から事業承継を絡めた相続対策提案を受けているのだが、どう思うか。客観的な意見が欲しい。」と相談を受けました。
銀行の提案書を拝見させて頂くと…悪くない、が、ちょっと違和感がありました。
銀行の提案骨子は次の通り。
①後継者である長男の嫁を養子にする
②先代名義で遊休地に賃貸物件を新築する
③先代が法人所有の土地を買い取る
別に提案自体はそれ程悪くありません。
相続対策の提案としては「あり」ではないでしょうか。
しかし、何か違和感を感じてしまったのは、背後に隠されている銀行の目的が透けて見えるから。
①長男の嫁を養子にすることで死亡保険金の非課税枠が増えるので、定期預金を生命保険に振り替えましょう
②遊休地に新築する賃貸物件を借り入れで行うことで債務控除できます
③先代と法人との土地売買は当行の関連不動産会社が仲介に入り抜かりなくやります
④先代が法人から土地を買い取る資金は当行が融資します
これらに対する回答として、
「死亡保険金の非課税枠の活用はいいですね。早速馴染みの代理店に連絡し生命保険に加入します。」
「賃貸物件建築資金は、おたくの銀行に預けている投資信託を解約して充てます。」
「会社との土地売買は身内の話しなので、知り合いの司法書士に所有権移転登記の書類を作成してもらいます。」
「会社の土地は、役員貸付金の代物弁済として現物のまま引き取ろうかと思ってます。」
と言ったらいかがですか?と助言しました。
相続対策の効果はほとんど同じ(と言うか、余計な手数料等がかからない分僕の助言の方が上)ですから。
オーナーの発言に銀行がどのように巻き返してくるのか、楽しみです。
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