ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『値動きある金融商品に要注意』

投稿日:2020年6月17日

昨年12月に他界した父の相続手続きを進めています。

 

父が取引していた金融機関へ残高証明書の発行を依頼したのが今年の1月

 

別に急いでいた訳ではありませんが、母が「いつかやらないといけないことなら、とっとと終わらせよう」と僕とよく似た性格だったので、出来ることから手をつけました。

 

遺産分割の基本的な考えは「全部母が相続」

 

二次相続対策なんて一切関係なし!

そんなの後でどうにでもなりますから。

 

夫婦で築いた財産ですから、母が好きなように使えば良しのスタンス。

その上で、もし母自身が「少しあげる」と言うなら有難くおこぼれを頂戴しましょうと考えました。

 

つまり、母から代償金を交付してもらうスタイルですね。

 

1月の時点では、新型コロナウイルスに感染した患者が日本で初めて確認されただけで、まだそこまで深刻な状況に陥っていませんでした。

 

その後日本がどうなったかはご存知の通り。

 

遺産分割の期本路線が「全部母が相続した上で、息子達に代償金を交付」だったので、各金融機関に残高証明書の発行を依頼すると同時に、金融資産を全て解約母名義の普通預金口座に集中させました。

 

預貯金だろうが投信だろうが株式だろうが関係なし儲かっていても/損してても一切お構いなし、とにかく全部換金

 

結果的にこれが大正解!

 

もし解約せずあのまま投信や株式を放っておいたら相当減っていたでしょうね

 

って思っていたら、このブログを書いてたらいつの間にか回復し、下落し、復活しを繰り返している…(驚)

う~ん、難しい…(悩)

 

注意しなければいけないことは、「相続税は点である」と言うこと。

 

相続税の計算は相続発生日の相続税評価額で行います。

 

相続発生日の後に上がったり/下がったりしても関係なし売っても/買っても影響なし、とにかく相続発生日の評価額がすべてです。

*あくまで<相続税>の話であり、「相続」そのもの(遺産分割用)とは異なりますからね。

 

最悪のシナリオとして、【父が死亡した日の投信評価額が高い→相続税が高額→遺産分割がまとまったので投信を解約して相続税を納めようとしたら基準価額が大暴落していて納税資金が不足】、なんてこと、実際にあるんですよ。

 

仮にコロナ問題がなかったとして、今投信の基準価額が爆上げしていたら儲けの機会を逸したと言えますが、そんなの自分ではコントロール出来ませんし、結局上がるか/下がるか“神のみぞ知る”ところですから。

 

「投資と投機は違う」「資産運用は哲学だ」と言う人がいますが、どうなるか誰にも分からない点で僕は「投資は(合法的な)ギャンブル」だと思っています。

 

なので、高齢者が元本割れの可能性があるリスク商品でお金を運用するのは大反対です。

 

どうしてもやりたい方は<ギャンブル>だと割り切り、ゼロになっても痛くない程度の額で楽しみましょう。

 

ちなみに、母の口座にドンドン資金流入が続くので、銀行の担当者から何度も電話がかかってきます。

もちろん、自宅にも来ました。

 

母から「どうしたらいいの?」と聞かれたので、「本当は投信が好きなんだけど、外貨建ての生命保険もいいらしいわね。資産運用とか興味ありありです。全部長男に任せているから、長男と話をして下さい。」と答えるようお願いしときました。

 

配偶者が死亡し独り身となった80歳のおばあちゃんにどのような提案してくれるのか、楽しみです。

 

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