ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『相続時精算課税制度で争族勃発!』

投稿日:2020年7月24日

コンサルを受託した先で、相続時精算課税制度を巡り争族になったことがありました。

 

亡くなられたのはお母様。お父様は10年前に他界されてますので、二次相続になります。

 

相続人は長女長男2人。生まれた順番で言うとになります。

 

お母様は、亡くなる12年前「相続時採算課税制度」を活用し長男自宅取得資金として現金1,000万円贈与していました。

 

そのことを長女は全く知らなかった様子で「弟は満額住宅ローンを組み一生懸命返済していた」と思っていたようです。

 

長女の主張は次の通り。

「私はこんな話聞いてませんから、母の遺産分割は、私が3,000万円、弟が2,000万円でいいですよね?そうしないとフェアじゃないでしょ?弟は先に1,000万円もらっているんですから。」

 

弟は「姉の言う通りでいいです」と言ってます。

 

実は、僕は生前お母様から相続対策について相談を受け、相続時精算課税制度について説明したことがありました。お母様は真面目だけど給与の低い長男のことを心配し「自宅取得資金を援助したい」と希望されていました。お母様は優しい長男を気にかけ、相性もいいのでしょう、長男の嫁や子を交えてよく食事を共にしていました。

 

当時の相続税の基礎控除は5,000万円でしたので、保有財産額的にお母さまが死亡しても相続税はかかりません。なので、相続時精算課税制度を活用してもいいのでは?と提案しました。

 

遺産分割について、法的には長女の言う通りです。

 

相続時精算課税制度を活用した住宅取得資金の援助は特別受益(財産の前渡し)に該当しますので、原則としてそれらを含めて遺産分割を話し合う必要があります。

 

法的にはその通りなのですが、違和感があるのは「人として」の部分です。

 

長女の夫医者で、高額所得者資産家です。傍目にも長男との暮らしぶりに雲泥の差があります。長女は、人気の住宅地大きな自宅を保有し、子は下から私学、乗っているも違います。

 

それを含め“実力”と言ってしまえばその通りなのですが、お母様の本心は全部長男に相続させたいだったはずです。であれば遺言を作成すればいいのですが、遺言作成は頑なに拒否されました。「遺言を作成しなければいけないような子供に育てた覚えはない」と言ってました。

 

「人は行動が全て」だと思うんです。

 

お母様は長男にだけ生前1,000万円あげた、そのことを長女に話していない。この行動がお母様の気持ちをそのまま反映しているのではないでしょうか。

 

長女にも、お金だけではない疎外感等色々思う所や言い分があると思うのですが、母の意を汲み、弟から当時のいきさつを聞き、肌で感じる暮らしぶり等から弟に少し多めに相続させてあげても罰が当たらないと思うのですが…。

 

その後紆余曲折を経て、結局お母様の財産は均等に分けることになり、後味の悪さが残った案件でした。

 

法律が常に「人に優しい」と思ってはいけない。

「法的に正しい」ことが「人として正しい」とは限らない。

「人は行動が全て」です。

 

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