投稿日:2021年1月18日
相続相談で重要なことは「欲しい情報を自ら取りに行く姿勢」です。
Aさんがある相続コンサルタントへ相続対策について相談した時の話です。
コンサルタントから「Aさんの財産を教えて下さい。」と聞かれ、「自宅の土地建物、駐車場、預貯金4,000万円です。」と答えました。
コンサルタントはタブレットで路線価を調べ、「自宅不動産の評価額は3,000万円位、駐車場の評価額は2,000万円位ですので、預貯金と合わせると約9,000万円ですね。ご家族は何名ですか?」と聞かれ、「妻と子が1人です。」と答えたそうです。
その後、コンサルタントから生命保険、不動産の有効活用等を提案されたそうです。
Aさんの回答に嘘はありません。
その後、Aさんが当社へ相談に来たのでアレコレ伺ったところ、まったく違う話になりました。
①Aさん名義の預貯金は4,000万円ですが、妻と子名義で4,000万円ありました→名義預金!
②Aさんはバツ1で、先妻との間に子が2人いました→相続人が4人!
③Aさん父名義の田畑が残っていました→相続財産が確定しない、かつ増える!
④Aさんは経営している会社へ5,000万円貸付してました→貸付金!
結局、当初9,000万円と聞いていた財産は2億円に増え、相続人も「妻と子1人」から「妻と子1人+先妻の子2人」に増え、相続税だけじゃなく争族等への対策も必要なことが判明しました。
相続相談を真に有益なものにするためには、(相談者の発言をそのまま信じるのではなく)自ら切り込む姿勢が大切です。
コミュニケーションの技法としては「傾聴」が重要ですが、相手の話を聞いているだけでは必要な情報は得られません。
欲しい情報は自ら取りにいかないと!
相談者にとってあまり触れられたくないような話であっても、根掘り葉掘り聞く必要があるのです。それが最終的に相談者のためになることですから。
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