ブログ「相続の現場から」

新聞の見方「無戸籍者の受けるデメリット」

投稿日:2021年6月9日

令和3年6月6日(日)付の新聞に、『無戸籍者 沈黙の孤立~推計1万人超、「嫡出推定」避け出生見届け~行政の把握・支援届かず』の記事がありました。

 

当社は相続専門会社なので「無戸籍問題」守備範囲外なのですが、相続は戸籍が全てなので、まったく関係がないとも言えず、趣味の一環として法改正諸問題について継続的にウォッチしています。

 

問題の元凶は「嫡出推定」と言われています。記事でも「無戸籍者の約7割の人が嫡出推定を避けたため無戸籍者となった」と書いてあります。

 

「嫡出推定」とは、民法772条に定められている「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」という規定。

 

この規定があるため、離婚する前に夫とは別のパートナーとの間で妊娠しても、法律上その子は離婚する前の夫の子とみなされてしまうため、それを避けるため出生届を出さない人が多いと言われています。その結果、戸籍の存在しない子が生まれてしまうのです。

 

しかも、夫には嫡出否認(婚姻関係にない男女間に生まれた子ではないと主張すること)の規定があるのに、母や子には認められていないので、離婚する前に出生届を提出し前の夫の戸籍に入れてしまったら、その後「この子は離婚する前の夫の子ではない」「僕は(私は)戸籍上の父の子ではない」是正を求めるハードルが限りなく高くなってしまうのです。

 

法務省の把握では全国に838人の無戸籍者がいるそうですが、支援団体の調査では1万人以上いると推計されており、実態の把握の難しさも浮き彫りになっています。

 

行政による状況の把握が難しければ、支援も行き届かず、その結果何の罪もない子が不利益を被ることになってしまいます。

 

今年の2月、法務省の諮問機関である法制審議会(民法親子法制部会)は、民法の規定を「再婚後に生まれた子は再婚後の夫の子とする」と改正する中間試案をまとめました。

 

法改正されれば「無戸籍問題」の多くが解決すると思いますが、過去に遡って適用されるのでしょうか?気になります。

 

いつの時代も、親の問題で被害を被るのは何の罪もない子どもです。

 

緊急事態宣言があけたら毎年恒例にしている児童養護施設へ寄付に行こうと思います。

 

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