投稿日:2021年12月6日
令和3年12月1日(水)の新聞に、『1人暮らし世帯拡大~介護や安全網課題~』の記事がありました。
1人暮らしの高齢世帯が増え続けると、介護や孤独死などの社会問題が深刻化します。今回は、世帯の変化と相続について考えてみたいと思います。
総務省が発表した2020年国勢調査によると、
●日本の世帯数は5583万(前回より4.5%増)
●うち単身世帯は2115万(前回より14.8%増)と全体の38.0%を占める
●50歳時点の未婚率は、男性28.3%(2000年は12.6%)、女性17.9%(2000年は5.8%)
となりました。
時代の流れと言ってしまえばそれまでなのですが、価値観や家族に対する考え方の変化、ライフスタイルの多様化により、「結婚して子供2人」と言ういわゆる“標準モデル”が成り立たなくなっています。
生涯独身の単身者が増えると、介護、老後生活、孤独死等、さまざまな面で社会的な負担が増えていきます。そこにはお金だけで解決できない問題も含まれています。
これを相続にあてはめて考えて見ると、独身者が亡くなった場合、相続人は両親、兄弟姉妹、甥姪になります。常識的に考えれば両親は先に亡くなっているでしょうから、兄弟姉妹が相続人となる場合が多いでしょう。もし兄弟姉妹が先に亡くなっていたら、兄弟姉妹の子(甥姪)が相続人になります。両親が先に亡くなり、しかも一人っ子だと相続人はいませんので、遺言や特別縁故者がない限り、最終的に財産は国庫に帰属することになります。
相続はお亡くなりになった後の話ですので、元気なうちに遺言を書いておくなど、死亡後のことはある程度自分で解決できます。
しかし、死亡する前はどうでしょうか。
単身高齢者の場合、
●足腰が弱ってきたら、誰が買い物を手伝ってくれるのでしょうか?
●誰が高齢者を狙った詐欺集団から守ってくれるのでしょうか?
●認知症等になった場合、誰が財産管理や生活の面倒を見てくれるのでしょうか?
●そもそも、誰が介護してくれるのでしょうか?
●誰が老人ホーム入所を手伝ってくれるのでしょうか?
家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てが行われる件数が増えています。
相続に携わる身としては、世帯の変化を実務に落とし込み、トラブルの芽を摘んでいかないといけませんね。
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