投稿日:2022年7月18日
令和4年7月13日(水)の新聞に、『アクティブ投信不振8割が大手~金融庁、投資家保護へ監督厳しく~信託報酬も横並び意識』の記事がありました。
「アクティブ投信はパッシブに勝てない」
昔からよく言われていることですが、“売り手の事情”により、推奨される多くの商品はアクティブ投信が中心です。
パッシブ運用とは、日経平均株価等の指数と連動することを目指す運用方法で、インデックス運用とも言われています。投資対象が分かり易い上、信託報酬等のコストも安いのが特徴です。
これに対し、アクティブ運用とは、ベンチマークとなる指数等を上回る成果を目指す運用方法です。上手くいけば大きく儲かる可能性がありますが、投資先銘柄の売買や入れ替えが頻繁に行われるためコストが高くなります。
今回の調査で、多額な手数料をもらう代わりにパッシブ運用を上回る成果を目指しているアクティブ投信の多くがパッシブ運用に勝てていない事実が浮き彫りになり、その大元が金融機関だったことが分かりました。
記事によると、
●パッシブ型のリターンを明らかに下回るアクティブ型の8割が大手金融機関系列の商品である。
●運用成績に応じて決めるべき信託報酬も他社との横並び意識が目立つ。
●パッシブ型の成果を上回ったアクティブ型は調査した444本のうち35本に過ぎない。
●パッシブ型の成果を下回ったアクティブ型32本のうち26本は国内大手の銀行・証券・保険傘下の資産運用会社10社の商品だった。
だそうです。
実は「アクティブ投信はパッシブ投信より成果が悪い」ことは昔から言われていて、心ある人に相談すると「投信買うならインデックス物がいいですよ」と言ってくれます。
しかし、売り手からしたら、パッシブ投信は手数料が安いのでいくら売っても儲からないので、「大きく儲かるかもしれませんよ」「腕のいいファンドマネージャーが力を入れてる商品です」等とアクティブ投信を推奨するのが常となっています。
僕は個人的に「所詮資産運用はギャンブル、勝つか負けるかは運」だと思っています。
いい大学出て、お勉強ができて、難しいこと知ってる人が運用したって、結局8割負けている事実がそれを証明しているのではないでしょうか。(普通に考えたら2回に1回は勝てるはずなので勝率5割だと思うのですが…。)
ちなみに、毎年お正月になると『今年の株価予想、為替予想』の記事が載り、著名な投資家やファンドマネージャー、大企業の代表者等の予想が掲載されていますが、当たったことってありますか?(時々後出しジャンケンで「当たった」と言う人はいますが…。)
問題は「運用の負けを全て投資家(購入した人)が被ること」です。
相手は営利企業、お金を儲けることで社員に給与を払うことができる企業なのですから、その事実をしっかりと受け止め、「金融機関に騙された」と嘆く前に、自分で本を読む、勉強する、家族に相談する、セカンドオピニオンに聞いてみる等、他人のせいにしないで済む方法を考えましょう。
自分の身を守れるのは自分だけ、ですよ。
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