投稿日:2024年10月16日
遺族年金は相続による取得ではなく、法律の規定等に基づく取得ですので、(民法上の)遺産ではありません。つまり、遺産分割の対象ではありません。
但し、みなし相続財産(税法上の遺産)には該当します。しかし、遺族年金には非課税の規定が設けられていますので、結局相続税は課税されません。
つまり、遺族年金は「民法上は遺産ではなく、税法上は遺産だが課税されない」、これが正しい理解です。
現在、米国の遺族年金に関する権利が「みなし相続財産に該当するか否か」が争われている事案があります。
夫(と思われます、外国人或いは海外居住者?)が米国の退職年金を受給中に死亡しました。配偶者は、夫の生前に家族年金として退職年金の50%を受け取っていました。
課税当局は「米国遺族年金はみなし相続財産にあたる」として相続税を課税しました。
遺族側が「それはおかしい」と審査請求した所、国税不服審判所は「米国遺族年金は定期金に関する権利であり、みなし相続財産に該当する。米国遺族年金には非課税規定が設けられていないため、相続税が課税される(つまり、「国が正しい」)」と判断しました。
これに納得いかない遺族側は東京地裁に提訴しているようです。
今後の行方を見守りたいと思います。
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