投稿日:2025年1月14日
令和6年12月29日(日)付の新聞に、『資産1億円でも入居の壁~単身高齢者、賃貸住宅探しで漂流~孤独死不安、家主に根強く』の記事がありました。
正にその通り!
現場でずっと感じていること、実際に起きていることです。
高齢者が賃貸物件を借りるのはかなり難しい…。
高齢であっても、子や孫或いは兄弟姉妹等近しい親族がいればまだ何とかなりますが、身寄りがない方やお一人様は借りるハードルが相当高くなります。
個人的な感覚としては「原則無理、運が良ければ借りられる時もある」。
だって、独居かつ身寄りがない高齢者は孤独死のリスクがありますから。そうなったら特殊清掃しなければいけない、事故物件扱いとなる可能性がある、私物を勝手に処分できない等家主にとって負担しかありません。
もちろん次の入居者探しにも大きな影響を与えます。下手したら数年分の儲けが吹っ飛んでしまいます。
死亡以前の問題として、その入居者が認知症となるリスクもあります。
家賃が滞る、ルールを守らない、異臭がする、ボヤ騒ぎを起こす、トクリュウ(SNS等を利用して犯罪の実行犯を募集し特殊詐欺や強盗などの犯罪を行う「匿名・流動型犯罪グループ」集団のこと)のターゲットとされる、他の入居者や近隣住民とトラブルになる等、やはり家主にとって大きな負担となります。
「お金があれば何とかなる」と思っている人もいらっしゃいますが、資産があっても、身寄りがない高齢者はなかなか賃貸物件を借りることができません。
お金で解決がつく問題ではないので。
お金があるのならマンションを買うべきですね。所有してしまえばとりあえず住居の問題はクリアできますから。
だた、マンションを購入したとしても、死亡後どうするのかを考える必要はあります。
死亡後のことは知ったこっちゃない、“後は野となれ山となれ”だ!と開き直る人もいますが、そうなると死亡後に他の区分所有者や管理会社に相当迷惑をかけることになってしまいます。
ですので、無責任な考えは絶対にやめて下さい!(でも実際にそう考える高齢者の方が結構いるんです…)
国や行政の支援や地域の見守りだけでは何とかならないのが個人の生活です。プライベートには踏み込めませんから。
未婚によるお一人様が増え、また熟年離婚も増えていますので、この問題は今後更に大きな社会問題となるでしょう。
個人的には、お一人様等となった原因が老後のことを考えず独身時代を謳歌してきた本人にあるのであれば、悪いのは本人ですから、そのツケを本人以外が払うことに違和感を覚えます…。
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