投稿日:2025年8月29日
令和7年8月3日(日)付の新聞に、『納車日に傷、花火のせいか~「赤いポルシェ、憧れの一台だった」~「燃えカス落下」証拠不足』の記事がありました。
密かにお気に入りの「揺れた天秤~法廷から~」シリーズ。
今回の事件は、花火大会の燃えカスが原因で宝物のポルシェに傷がついたと主催者と花火会社を訴えた「車体修理損賠訴訟」。
実は事件の経緯や裁判の結果はどうでもよくて、この記事で僕の琴線に触れたのは「裁判は証拠がすべて」の部分。
憧れ続けようやく手に入れた赤いポルシェ。待ちに待った納車日に花火大会の燃えカスにより傷がついたらそりゃ怒りますよ。
恐らく原因は花火大会の打ち上げ花火でしょう。だってディーラーを出る時には傷なんてなくて、花火大会が行われている会場の横を通って帰宅しただけですから。走っているだけで火薬のような物質が車体にめり込むことなんてないでしょう。
しかし、一審・東京地裁は「県が定めた保安距離基準を守って打上げたのだから、損傷と花火大会の因果関係を判断するまでもない」と門前払い。
二審・東京高裁も「損傷した理由が不明」と請求を退けました。
まあ、裁判だとそうなるでしょうね。
裁判は証拠がすべてなんです。
裁判になると「もしかしたら」とか「たぶんそう」「そう考えるのが自然」といった気持ちの問題ではなく、事実に基づく具体的かつ明確な証拠が求められるのです。
そして、立証責任(立証挙証)は訴えた側が負うのです。
これ、相続でも同じです。
例えば「兄は父から生前贈与を受けていた。これは特別受益に該当する!」と主張するなら、主張した側が生前贈与が行われていたことについて具体的な証拠を示さなければいけません。「兄はそのおかげで生活が豊かになった」とか「昔父から兄にお金をあげたと聞いたことがある」は証拠ではありません。
実際に特別受益たる生前贈与があったとしても、司法の場でその事実を争うのであれば、言った側がそれを立証しないといけないのです。証拠もないのに訴えても勝てません。証拠もなく文句を言うのは単なる言いがかりです。
裁判は正しい者が勝つのではなく、勝つべく戦い方をした方が勝つ、これが僕の裁判に対する経験則です。
何も知らないお客様は裁判すれば勝てる、すっきりすると思っていますが、そんなことありません。
大岡越前じゃないのですから。
正しい(恐らくですが…)のに勝てなかった事例なんて沢山あります。
先方がずるいのに…、相手が悪いのに…、弁護士にお金を払ったのに…、裁判したのに…、費用がかかっただけで、お金と時間の無駄に終わり、嫌な気分だけが残るった…相続あるあるです。
で、どうすればいいのか…ここが相続コンサルの腕の見せ処です。
2015.12.14
2020.7.29
2022.5.16
2025.8.13
2020.5.27
2019.8.13
2024.10.7
2017.4.23
2024.12.9
2025.7.14
© 2014-2025 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE