投稿日:2025年10月27日
令和7年10月12日(日)付の新聞に、『道路に穴、15m飛び骨折~「異常走行扱い、到底許しがたい~管理する自治体 責任は』の記事がありました。
密かにお気に入りの「揺れた天秤~法廷から~」シリーズ。
今回は、30代の男性が国道を自転車で走行中、国道のくぼみにタイヤがはまって転倒し骨折する等リハビリに半年以上を要し、かつ自慢の96万円もするロードバイクが壊れてしまった事件が取り上げられています。

僕が気になったのは、国道を管理する国及び国から道路管理を委託されていた自治体の対応云々ではなく、将来の日本の暗雲を物語る事案だと感じたこと。
過失割合が5割だとか、賠償額がいくらだとか、記事では事件の争点にスポットを充てて解説されています。

前橋地裁及び東京高裁は国(県)側の過失割合を7割と認定し、県に201万円の賠償金支払いを命じ確定しました。
この裁判で、県側の担当者として証言台に座ったのは、県の職員ではなく県から委託されていた事業者の従業員であり、もともと郵便局員で、定年退職後にこの仕事に就いた高齢者でした。
道路管理について学んだ経験はなく、職場で渡されたマニュアルにも補修基準は明確に記されていなかったそうです。
「こぶし大くらいの穴は埋めている」と説明した従業員は根拠を問われ「私どもにも分からない。主観だと思う」と述べています。
国道、都道府県道、市町村道…道路は全国に張り巡らされた重要なインフラです。
その管理を定年退職した高齢の素人に頼らざるを得ない…これが今の日本の現状です。
人が造った物はいつか壊れます。物には耐用年数があり、継続して使用するためには維持管理が欠かせません。
これから急激に人口が減少し、40年後には今の3分の2まで減ることが確実です。しかも支え手である現役世代が少なく高齢者が多い歪な逆ピラミッド型の人口構造…。
この状態でインフラを維持できますか?
道路だけでなく、電気、ガス、上下水道、警察、消防、自衛隊、ゴミ収集…ある程度若くないと務まらない仕事を、一体誰がやるのでしょうか?
新卒は金の卵ともてはやされ、仕事を選びたい放題な中、あえてキツイ仕事を選ぶ若手がいるとは思えません。
これから暗黒の100年が始まる…悩

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