投稿日:2015年4月3日
本日、平成27年4月3日付の日経新聞に『社会保障負担、年々重く』の記事がありました。
社会保険に関する実務経験が全くない「なんちゃって社労士」の当方ですが、この記事は見逃せませんでした。
公的年金制度が本格的にスタートとなった昭和36年当時の平均寿命は、男性67歳、女性72歳。
当時の年金支給開始年齢は60歳。
と言うことは、平均して、男性は7年間、女性は12年間もらえればOKなように、年金は制度設計されました。
尚、女性は当時任意加入だったので、そもそも加入していない方も多くいらっしゃいます。
因みに、当時から制度設計上の「標準モデル」は<夫は会社員、妻は専業主婦、子は2人>です。
現在の平均寿命は、男性80歳、女性はもうすぐ85歳。
現在の年金支給開始年齢は65歳。
つまり、平均して、男性は15年間、女性は20年間支給を受けられる時代になりました。
ほぼ倍増ですね。
しかも、女性も任意加入ではなく、強制加入になっています。
社会保障で気を付けないといけないのが、「自分で払った保険料が自分に返ってくる」と勘違いしている人が多いこと。
社会保障は「世代間扶養」と言って、現役世代の保険料で、高齢者の生活を支える仕組みになっています。
つまり、今現役世代である我々が支払っている保険料で、親の世代は年金をもらったり、低額で医療を受けたり、出来るような仕組みになっているのです。
では、我々現役世代が高齢者になった時、「支え手」である今の子供たちの数はどうなっているでしょうか?
うちには小学生の子がいるのですが、運動会へ行ってもいるのは目立つのは親や祖父母ばかりで、子供の数は随分少なくなりました。
昭和40年(1965年)当時は、9.1人の現役世代で1人の高齢者を支えていました。<胴上げ型>
平成24年(2012年)は、2.4人の現役世代で1人の高齢者を支えています。<騎馬戦型>
2050年になると、1.2人の現役世代で1人の高齢者を支えなくてはなりません。<肩車型>
皆さんにもしお子様がいらっしゃたら、その子1人に自身の年金や医療の負担を全て任せられますか?
無理ですよね。
そもそも、皆さんの周囲に「標準モデル」のご家庭、見当たりますか?
少なくなりましたよね。
出生率の低下、生まれてくる子供の数の減少等、いくら景気が上向いてきたからと言って、今後急激に子供の数が増えるとは思えません。
つまり、大事なことは「自分の身を守れるのは、自分だけ」と言うことです。
不確定な誰かに期待するのではなく、「貯蓄」、「投資」、「年金保険」、「確定拠出年金」等、今からでも出来る対策が沢山ありますよ。
「相続対策」を検討するにあたり、世代を超えて豊かな生活が送れるよう、この辺りの話しもネタに話し合ってはいかがでしょうか。
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