投稿日:2015年10月1日
「養子は1人まで」って勘違いしている人が多いと思いますが、そんなことはありません。
相続税法上の養子の数は、「実子がいる場合は1人まで」、「実子がいない場合は2人まで」と定められていますが、民法上の養子に人数制限はありません。
極端な話し、孫10人全員を祖父の養子に入れても構わないんです。
相続税法上、養子をとると、
①相続税の基礎控除が増える
②相続人が増えることで、相続税率が下がる可能性がある
③生命保険金等の非課税枠が増える
と言ったメリットがありますので、租税回避行為を未然に防ぐために、養子の人数に制限が設けられているのです。
では、実子が4人いるのに、孫10人を養子にとった場合どうなるのでしょうか?
相続税は「税法」ですが、相続は「民法」です。
税法上の養子は人数制限があるため5名になりますが、民法上養子は全員相続人になるため、相続人は合計14人になり、14人全員で遺産分割を話し合うことになります。
つまり、法定相続割合は一人14分の1になるのです。
例えば、
●特定の相続人の法定相続割合や遺留分を減らしたい
●世代を1つ飛ばして相続させたい
等のために、人数制限を意識せずに養子をとる考え方もあると思います。
注意しなければいけないことは、
●相続人全員の足並みが揃わないと遺産分割協議が成立しない
●代襲相続人ではない孫が養子になった場合、相続税が2割加算される
●いわゆる「税養子(*)」とみなされると養子が相続人の数に算入されない場合がある
といったデメリットもあると言うことです。
*「税養子」とは…養子縁組が税を不当に減少させることだけを目的に組まれている場合のこと
目的が何かによって対策(案)が異なりますので、取り組む前によく検討しましょうね。
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