ブログ「相続の現場から」

相続の現場から「<超>悲しい出来事」

投稿日:2016年3月11日

以前、このブログで紹介した「悲しい出来事」のご主人様が亡くなり、現在相続手続きをサポートしています。

その作業中、「<超>悲しい出来事」に遭遇してしまいました。

 

相続人である奥様から「死亡保険金を受け取りたい、今から保険会社のコールセンターへ電話するので、そばにいて欲しい」と依頼を受け、横で話を伺っていた所、どうも会話がしっくりいってないんです。

奥様は「保険金を受け取りたい」と言っているのに、保険会社は「保険金は出ない」と押し問答になっています。

「おかしいな」と思い、保険証券を確認した所、【契約者=夫、被保険者=妻、死亡保険金=夫】となっています。

 

え!「被保険者が奥様」になってる…。

 

僕としたことが、前月奥様から保険証券を見せてもらった時、「弱って寝たきりになっている高齢者の施設に銀行が押しかけ数千万円単位の保険契約を取っていった」ことに憤り、しっかり中身を確認していませんでした。

情けない…。

奥様から「施設まで押しかけ弱っている高齢者に契約を迫るなんて…と銀行に文句を言った」と伺っていたので、てっきり奥様に内緒で契約したのかと思っていました。

 

違いました。

 

改めて奥様から契約時の状況を伺った所、

●施設に銀行員が来て、ほとんど話を理解できない夫にややこしい保険商品の説明を行い、なかなか帰ってくれなかった

●そこで「私が署名すれば早く帰ってもらえる」と思い、言われるがまま、指定された欄にサインした

●夫が死亡したら元本が戻って来るから、いいかと思った

 

いやいや、ご主人が死亡しても契約は続きますよ。

しかも円安時に加入していますから、為替の影響をモロに受け、現在いっ切り元本割れ状態です。

更に、初年度に解約した場合の解約手数料は10%です。

 

え!!!!、そんな話は聞いてない…保険金が出ないの???知らなかった…今から10年間は解約手数料がかかるって?

保険金は?私が死ななきゃいけないの?

私が死んだら夫に保険金が支払われるって、そんな説明聞いてない!意味ないでしょ!

だいいち、施設に入所している夫が加入したがる訳ないでしょ!

どういうこと??????

 

『吉澤塾』には3期生までで71名の塾生がいます。

その過半が何等かの形で生命保険に携わっています。

社員だったり、代理店だったり、直販だったり、乗合だったり、その形態は色々です。

 

でも、塾生にはこんな売り方する人、いないですよ

もちろん手数料商売ですから、儲けは常に皆の頭にあるでしょうし、営利企業である以上儲けなければ明日はありません。

しかし、お客様にメリットがあり、売り手も儲かる、<WIN-WIN>の関係を念頭に置き活動している人達ばかりです。

(違う人がいたら、すぐ破門にします)

 

銀行に聞きたい、「この保険、奥様にとって何のメリットがあったのでしょうか?」

「為替と解約手数料の影響により解約返戻金が投資金額を下回っている、つまり相続財産評価額が小さくなっている、だから相続税の軽減になったでしょ」とでも言いたいですか?

そんなこと、契約時に説明できるわけないし、そこまでの知識持ってないでしょ。

 

残念ながら、本件は配偶者控除をフルに活用するので、そもそも相続税は1円もかかりません。

こんな契約する必要、まったくありませんでした。

 

奥様が最後に言った言葉に胸が締め付けられました。

「早く帰って欲しくてサインした私がいけませんでした。サインしちゃったら全て理解したことになってしまうんでしょ?悪いのは、銀行を信じた私です。」

 

誰が儲かったか…誰のための契約か…空しいですね。

このやり場のない怒りをどこにぶつければいいのか…情けないし、恥ずかしい…。

 

悪い銀行員

 

 

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