投稿日:2016年9月9日
先日相談の乗ったお客様、よくしゃべる人だったなあ…。
興奮しちゃうんでしょうね。
相談者は80歳代の女性、一人娘と一緒に相談に来ました。
<相談概要>
・2年前に死亡した母名義の土地上に、相談者名義の自宅建物がある
・母の面倒を見る約束で自宅を建てさせてもらった経緯があり、実際に相談者は母と20年間同居し面倒を見た
・母の遺産はその土地しかない
・相続人は相談者を含め子4名、長男がその土地の相続権を主張している
・母は死亡する直近10年間長男と同居しており、長男と同居する際数千万円あったはずの母名義の預貯金が、相続時ゼロになっている
・相談者は30年前に長男へお金を貸しているが、なかなか返済してくれず、長男は時効を主張している
<相談者の意見>
・長男は母のお金を勝手に使い込んだのだから、その部分を含め遺産分割すべきであり、土地の相続権を主張するのはおかしい
・母の面倒を見る約束で自宅を建てさせてもらい、実際私は20年間も母の面倒を見たのだから土地は私が相続する
・二男も二女も「それで構わない」と言っている
・長男は今すぐお金を返せ
精神論的には相談者は間違ったこと言ってなくて、皆が「その通り」と言ってくれたらそれで終わり。
しかし、長男は違う意見のため、炎上中。
自分の思い通りにならないもどかしさ…相談者の気持ちは良く分かります。
長男は人として駄目ですね。
しかし、法的に考えた場合、相談者の主張がそのまま認められるかどうか、難しい部分があります。
・使用貸借の継続使用権
・同居親族=生計一
・寄与分
・貸付金に関する借用書、時効を中断した事実
法律が常に人に優しい訳ではありませんので、どのような解決に至っても納得感は得られないと思います。
当事者同士で話し合いが不可能であれば、代理人を立て、場合によっては法的措置を取らざるを得ないでしょうね。
来るべき戦いに備え、まずは<事実関係の整理>と<証拠の確保>を指示し、早急に弁護士に相談するよう助言しました。
どうやら一つ上のステージに上がらざるを得ない案件ですので、僕の出る幕はありません。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE