投稿日:2017年6月6日
相続人がいない場合、亡くなった人の財産はどうなってしまうのでしょうか?
「最終的に国庫に帰属する」と聞いたことがある人がいるかもしれませんが、実はそう簡単な話ではありません。
相続人が不存在の場合、財産は法人となり、相続財産管理人が遺産の管理・弁済等一連の手続きを行うことになります。
相続財産管理人の選任は、利害関係者(債権者、特定遺贈を受けた受遺者等)が家庭裁判所へ申し立てにることにより行われます。
多くの場合、家庭裁判所の名簿に登載された弁護士から選出されます。
相続財産管理人は、
・被相続人の財産を調査し
・財産を保全(管理)し
・被相続人の債権者等に債務を弁済し
・相続人を捜索し
・特別縁故者へ財産を分与し
・残余財産を国庫に帰属させ
と、1年~2年かけ相続財産の処理を行います。
ちなみに、特別縁故者(事実上婚姻状態にある、内縁、身の回りの世話を行った等)であると家庭裁判所に認められた人がいたとしても、遺産のすべてが特別縁故者へ分与される訳ではありませんのでご注意下さい。
現在、生涯未婚率は男性22.8%、女性13.3%と、男女とも過去最高値を更新しています。
男性は4人に1人、女性は7人に1人が一生結婚しない世の中になりました。
2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が、一度も結婚しない生涯独身者となる時代が来ると予想されています。
今後、相続人がいない案件がますます増えていくと思われます。
世間一般の方が思っている以上に相続人不存在の手続きは煩雑かつ面倒です。
そのような方が周りにいたら、“飛ぶ鳥跡を濁さず”とならないよう、今のうちに遺言を作成しておく等をお勧めしましょう。
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