投稿日:2017年8月11日
一部で盛り上がりを見せている『持ち株会社を活用した事業承継対策スキーム』。
銀行と税理士がタッグを組んで「相続税が節税できますよ」と、バックエンドに隠された自身のメリットを隠して中小企業オーナーに積極的に働きかけている、あれです。
昨年、新聞に
「税務署が持ち株会社スキームを租税回避行為とみなし課税したため、国との訴訟に発展した」
「節税策を提案する銀行や税理士の責任も問われる」
と出て、関係者が焦りまくりましたね。
検討段階から実行後まで色々と突っ込み所満載のスキームですが、賛否織り交ぜざっとポイントを挙げてみました。
①株価は下がるが、オーナー個人から見ると持ち株が現金化するだけである
②実行直後は相続税増税になっているので、相続発生直前の駆け込み実行は控えるべき
③銀行は、オーナーに入った現金を投信や保険、不動産に変えてもらう所に旨味がある
④自社株の譲渡価額は「時価」であり、「相続税評価」ではない
⑤節税以外に目的がないと「租税回避行為」とみなされ国税から否認される可能性が高まる
⑥融資残高を伸ばしたい銀行、コンサルを受託したい(顧問先を増やしたい)税理士の意向にマッチしている
⑦国税は、税理士でないにも関わらず税理士業務を行う“ニセ税理士行為”に注目している
節税テクニックとしては「あり」なのでしょうが、リスクに見合っているかどうかは不明です。
ま、「楽して儲かる話はどこにもない」と言うことです。
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