投稿日:2017年11月27日
相続の「専門家」を名乗り相続業務に従事している人には、男女問わず、20代から後期高齢者まで、勤務している人もいれば独立している人まで、色々なパターンがあります。
別に、性別や年齢、勤務形態等についてアレコレ言うつもりはありません。
しかし「相続には経験が必要(重要)だ」と思います。
と言うのも、
●相続には同じ案件は二つとなく
●税金から法律、不動産、お金、手続き、士業との連携等幅広い知識が必要で
●更に、有している知識と経験の引き出しを的確かつ最適なタイミングで開けるセンス
●必要な情報、助言、提案を関係者に正しくコミュニケーション能力
●苦しい状況でも諦めない、逃げない精神力
●段取りや準備等の几帳面さ
等々について<頭で考えなくても身体が勝手に動く>レベルに達して初めて「専門家」「プロ」と言えるからです。
僕も30半ば、まだ銀行で相続業務中心にブイブイ言わせていた頃、「なんて僕は相続に詳しいんだ」と思っていました。
年間300件を超す相談を受け、銀行員なのに「先生」と呼ばれ、「相続は天職だ」と思っていました。
しかし、所詮「井の中の蛙」、ただの「勘違い天狗野郎」でしたね。
今思い返すと当時の思い上がりが恥ずかしい…。
この歳になり、相続事務所を経営していても、未だに知らないことや分からないことが沢山あります。
本当に相続は奥が深く、ゴールがどこか分かりません。
(そもそも相続に正解なんてないのですから、ゴールがあると思うこと自体が間違いですけどね。)
やはり、ある程度経験を重ねていかないと分からない事もありますし、見えない世界もあります。
そのためには、年数がかかります。
どんなに優秀な人であっても、30そこそこでは絶対的な時間が不足しています。
「いや、僕はまだ30そこそこだけど凄いよ」「年齢じゃないでしょ」と言う人もいるでしょう。
僕がそうでしたからその気持ちは良く分かります。
10年後、20年後に今の言葉を思い返して下さい。
どんなに勉強が出来、一流の大学を卒業し、立派な資格を有しても、歳を重ね、経験を積まない限り真の「専門家」「プロ」とは言えません。
しかも、その経験は、崖の上から「大丈夫ですか?」と声を掛けた回数ではなく、崖から降りて相談者を背負って戻ってきた回数を指します。
有償・無償を問わず、誰か別の人に崖を降りるようお願いした回数でもありません。
自ら面倒や困難に当事者レベルで携わり生還した回数です。
もちろん、ただ歳をとっただけは経験とは言いません。
(寝かせて味が出るのはお酒です。)
と考えたら、僕なんてまだまだ「ひよっ子」です。
© 2014-2024 YOSHIZAWA INHERITANCE OFFICE