ブログ「相続の現場から」

名義預金の判断基準

投稿日:2018年5月11日

少し前になりますが、平成28年11月8日付国税不服審判所の裁決で「家族名義預金の一部は相続財産に当たらない」と判断された事案がありました。

 

相続人の主張「この口座のお金は被相続人から贈与で貰った資金だ!」

国税の主張「名義預金だ!」

 

興味がある人はじっくり裁決事例を読んで頂ければよいのですが、裁決の中で、いわゆる「名義預金」であるか否かの判断基準が示されていますので、今回はそのことのついて書きたいと思います。

 

裁決の中で、審判所は

「被相続人以外の者の名義である預貯金が相続開始時において被相続人に帰属するものであったか否かは、当該預貯金の出捐者(※)、当該預貯金の管理及び運用の状況当該預貯金から生ずる利益の帰属者被相続人と当該預貯金の名義人並びに当該預貯金の管理及び運用をする者との関係当該預貯金の名義人がその名義を有することになった経緯等を総合考慮して判断するのが相当である。」

と示しています。

 

※出捐者(しゅつえんしゃ)とは、当事者の一方が自分の意思によって財産上の損失をして、他方に利益を得させること。(三省堂大辞林第三版)

 

今回の裁決で面白いのは、名義預金が疑われた(少なくても国税は名義預金と思っている)家族名義15口座のうち、国税不服審判所は「7口座は名義預金ではない(納税者の勝ち)」とし、「残り8口座は名義預金である(国税の勝ち)」と、すべてにおいて国税の勝ちとしていない所です。

 

その判断基準が(繰り返しになりますが)

①出損者は誰か

②管理及び運用していたのは誰か

③果実の帰属者は誰か

④被相続人と口座名義人と管理運用者の関係

⑤口座の取得経緯

です。

 

吉澤塾的に言えば、『資金源泉・管理支配者基準』ですね。

 

相続対策として誰もが一度は通る「生前贈与」

課税当局とのトラブルが絶えない「生前贈与」

 

その極意は、『生前贈与は、税法ではなく民法549条に定義されている契約行為である』です。

 

注意しましょうね。

 

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