投稿日:2019年4月21日
「相続で何が一番難しいか?」と聞かれたら、間違いなく「争族対策」と答えるでしょうね。
(誤解を恐れず言えば)争族対策に比べれば、節税なんて簡単です。
だって、相続税にはルールがありますし、計算式だし、数字ですから。
(本当は奥深いこと分かった上で言ってます。)
一方、争族対策(遺産分割対策)にはルールなんてないし、納得するかしないかの判断基準は人それぞれ、十人十色、百人百色です。
相続人が遺産分割協議書に署名押印したり、調停や審判で決着がついたたとしても、(気持ちの上で)それを皆が納得している訳ではないかもしれません。
「揉めると損する」「余計なお金がかかる」と割り切っただけかもしれません。
相続手続きに一定の目処がついただけです。
「精神的に病んでいく」「良いことなんて一つもない」と分かっていても、自分の主張をやめられないのが人間の性ですから、遺産分割に一定の結論が出たとしても、それで全てが丸く収まっている訳ではないことを知って下さい。
もちろん、相続人同士が仲良くなった訳でもありません。
仲が悪い人はどうやっても仲が悪く、何かをきっかけに仲良しになることなんて(まず)ありません。
(例外はあるのでしょうが、僕は出会ったことありません)
だから、争族対策が一番難しいんです。
そう考えると、相続コンサルタントなんて所詮無力です。
争族の問題を根底から解決することができないんですから。
せいぜいできることは、相続手続きに一定の結論を出してあげることくらいです。
つまり、どこかの時点で一つの区切りをつけてあげるだけ。
人の感情が百人百色である以上、世の中の争族をゼロにするのはかなりハードルが高いでしょうね。
もちろん減らすことはできると思いますが。
こう言うことを言うと、吉澤は争族推進派と思われてしまいますが、違いますよ。
僕だって争族は止めた方がいいと思ってるし、揉めない方がいいと思っています。
世の中から争族が減ることを心から祈っています。
しかし、ゼロにならない以上、なってしまったらどうしたら良いか、なりそうだったらどうすべきか、の答えを持っている人も必要ですよね。
現にトラブルが発生しているのですから。
そこで、僕は“答えを出す”をモットーに活動しているんです。
答えと言っても、正解かどうかは分かりませんけどね…。
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