投稿日:2022年2月28日
我々のような業種の人間が読む専門誌で、「これが専門家の意見だとしたらトンデモナイ」と言う驚きの提案を見ました。
相続について真剣に考えたことがない高齢の母が、セミナー後に相続コンサルタントに相続対策の相談を行う内容なのですが、突っ込み処が満載過ぎてどこから突っ込んでいいのか分からないくらい、もう無茶苦茶です。
①相談者は自宅マンションの外に賃貸マンションを持ち、現預金だけで1億円以上あると聞いていながら、相続税を1億円で試算している。
⇒ 何の数字なの?参考にならないでしょ!
②母から娘に2,000万円贈与したら相続税が500万円安くなると計算しておきながら、相続時精算課税制度を活用し2,500万円渡す方が良いと提案している。
⇒ どこの、何が、どう良いの?
③娘は贈与された資金で、まったく経験のない資産運用(投資)を始めるべき。
⇒ 低リスクの投資信託がどうの、NISAがどうのって言ってるけど、それって本当に必要?一人娘で争族の心配がなく、母から現預金1億円とマンション、それに実家を相続するんでしょ。相続税その他諸々を支払っても現預金8,000万円は残るんだから無理する必要ないじゃん。初めての投資に挑戦した方が良い理由、じっくり聞かせて欲しいわ。答えが見えちゃってる…。
④連年贈与にならないよう毎年贈与金額を変動させた方が良い。
⇒ 出た~都市伝説。そもそも生前贈与とは何かって分かってる?
⑤相続時精算課税制度を活用し娘に2,500万円まとめて渡し、娘はその資金で長期分散投資を行う。
⇒ だったら暦年贈与の年110万円で良くない?下心が丸見え。
回答している方は資産運用系のFPなんでしょうね。どうにかして自分の土俵に持っていこうと言う魂胆がミエミエ。
相続について不得手ならば、得意じゃない分野の土俵に上がらないで欲しい。それで不利益を被るのは何も知らないお客様です。
相談者を向いて仕事していない典型
最初から答えが決まていたら、それはコンサルではなくセールスです。
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