投稿日:2022年3月28日
令和4年3月26日(土)の新聞に、『成年後見人 交代柔軟に~制度見直し~』の記事がありました。
ようやく制度創設の趣旨に沿った形に近づきそうで、少しホッとしています。
記事では、今までは事実上不可能と言われている後見人の交代について柔軟に対応する、つまり交代しやすくなると書いています。
また、弁護士等の専門家が後見人として就任することが多かった現状を見直し、親族が就任しやすい環境に変えていくといった運用にもなるそうです。
これで少しは使い勝手が良くなるかな。
以前、90歳を超えたおじいちゃん(父)の自宅を売却し、その資金で施設に入所してもらおうと考え後見人である弁護士に相談した所「駄目」と言われたと相談されたことがあります。理由を聞いたら「自宅を売却してしまったら、おじいちゃんが戻ってくる家がなくなってしまうから」と言われ、子ども達は皆気絶したそうです。
子ども達は、おじいちゃんが安心かつ安全に過ごしてもらえるように、少しでも快適ないい施設に入ってもらいたいと考え、相続人全員の総意として実家の売却を考えたのに、「戻ってくる家がなくなってしまうから」って…、どういうこと???ちょっと理解に苦しみますね。
子ども達は後見人の交代を希望したのですが、後見人が正当な理由をつけて自ら交代を申し出ない限り、交代は認められないんです。
だったら最初から身内が後見人になれば良かったのに…と思うとおもいますが、実はおじいちゃんは任意後見制度を利用し、長男に後見人となってもらいたいと公正証書を作っていたのです。しかし、おじいちゃんに後見が必要となった際、長男は転勤のため遠くで暮らしていたので後見人に就任することが難しかったのです。そこで、近くで暮らす長女が「私が後見人になります」と手を挙げたのですが、家庭裁判所が難色を示し、結果弁護士が後見人に就任したそうです。
仮に長男や長女が後見人となったとしても、任意後見監督人(弁護士)がつきますから、結果は同じだったかもしれません。
親族後見によるトラブルが増えたため身内が後見人に選ばれにくい状況が生まれたのですが、では専門家だったら問題ないかと言うと、被後見人の財産を私的に使ったり、被後見人の気持ちを考えなかったり、事務的な対応しかしてくれかったり、硬直的に運営には様々なところから異を唱える声が出ていました。
高齢化社会において後見制度は大変重要な仕組みです。
制度の行方を見守りたいと思います。
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