投稿日:2022年7月25日
ここ数年、深刻な社会問題となっているのが「空き家問題」。
空き家が増えることにより、治安の悪化、景観の阻害、生活環境への悪影響等の弊害が発生します。
また、空き家に付随する問題として所有者不明土地の問題があり、公共工事が進まない、空き家が増える、隣地と争いが発生する等のトラブルを引き起こしています。
空き家が増加する要因は色々ありますが、僕はドンドン新しい建物が建てられることが一番の問題だと思っています。
お一人様の増加により、昔のような「父・母・子2人」の4人世帯が減り、単身やDINKS等1人~2人の世帯が増えました。
その結果、総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の「日本人住民の世帯数」を見ると、
2017年(平成29年)55,767,195世帯
2021年(令和3年)57,854,887世帯
と、過去5年間で世帯数は約209万も増加しています。
一方、少し時点はずれますが、国交省の「建築・住宅関係統計データ」によると、2014年度~2018年度の5年間で増えた住宅戸数は約411万戸(=住宅新設着工戸数約467万戸-住宅滅失戸数約56万戸)ですから、ざっくり言うと、この5年間で約200万戸程度の使われない住宅(余剰住戸)が増加したことになります。
これではいくら「空き家問題を何とかしないと」と税制や制度で施策を打ち出しても、穴の開いたバケツのようなものですから、その効果はしれてます。
世界に目を向けると、新築住宅に関し総量規制が設定されている国もあります。
本気で空き家問題を何とかしたいのなら、日本も総量規制を設定すればいいのに。もしくは「2戸取り壊したら1戸作ってよろしい」と言うルールを設ければ、空き家問題は解消に向かうと思うのですが、いかがでしょうか。
そんなルール作ったら建築会社が潰れてしまう、不動産会社も困る、雇用をどうするんだ、建築に携わっている人の生活が、経済に甚大な悪影響が…と炎上するのでしょうが、本気で何とかするってそういうことですよね。
新しく作れないなら、解体、リフォーム、リノベーション、メンテナンス等別の分野を開拓するしかありません。
いくら生活のためとは言え、不要なもの、無駄なものを作り続けるのはサスティナブルな社会に反します。(SDGsの丸いバッジをつけている建築会社の方、是非ご検討をお願いします。)
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