ブログ「相続の現場から」

相続の現場から『遺言が日の目を見るのは執行時』

投稿日:2022年9月23日

母が作成した公正証書遺言に納得がいかない長男が、母の財産のほとんどを相続する次男を相手に遺留分をちらつかせている事案について相談を受けました。

 

次男は長年母と同居し、妻と一緒に老後の面倒を見て、母が亡き父と一緒に立ち上げた小さな会社を継いでいます。

 

長男は大学卒業後、家業を継がず会社員になりましたが、生前両親から自宅購入資金子の学資等、相当の額に上る援助を受けています。

 

もしかしたら、母が遺した財産を全部次男が相続しても、長男が生前に受けた援助の額に届かないかもしれません。

 

仮に長男が受けた援助の方が少なかったとしても、長男は親の面倒を見ずにただもらっただけですから、長年親の面倒を見てきた次男と趣旨が異なります。

 

常識的な普通の人間だったら遺留分なんて口にしないと思いますが、世の中には普通じゃない人もいますし、法律が常に人に優しいとは限りませんからやっかいです。

 

問題は母が作成した遺言です。

 

遺言「財産分け方メモ」と割り切るのであれば特に問題ありませんが、「勝てるか/勝てないか」「叶うか/叶わないか」で考えると…(泣)

 

弁護士に相談して作成してもらったらしいのですが、遺言が日の目を見るのは遺言者が死亡した後、つまり執行時ですから、その時をイメージし逆算して考えなければいけません。

 

それが本に書いていない実務の世界なんです。

 

さて、なんとかしないとね。

 

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