投稿日:2022年9月26日
令和4年9月21日(水)付の新聞に、『住宅地31年ぶり上昇~全国平均~基準地価全用途プラスに』の記事がありました。
基準地価とは、都道府県が発表している毎年7月1日時点における基準地1㎡当たりの価格であり、地方公共団体等との土地取引の目安として活用されます。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う物価上昇や、金利差に端を発した円安、コロナによる在宅ワークの普及等地価が上昇した理由は色々ですが、生活目線で考えると地価の上昇を素直に歓迎できない部分がありますので困ったもんです。
記事によると、
●全用途(住宅地、住宅見込地、商業地、工業地)の全国平均は前年比0.3%上昇(3年ぶりのプラス)
●住宅地の全国平均は前年度比0.1%上昇(1991年以来31年ぶりに上昇)
●三大都市圏(東京、大阪、名古屋)は全用途すべてでプラス
●全国の住宅地の上昇率トップ100のうち82地点が北海道
だそうです。
「住宅地が上昇している=マイホームを取得しづらい」ですので、いくら住宅ローンの金利が低くても、この先経済が停滞し給与が下がるかもしれないリスクを踏まえると、家が欲しくても二の足を踏んでしまう(なかなか踏ん切りがつかない)のが正直な気持ちではないでしょうか。
『マイホーム郊外人気再熱~住宅地価、14都道府県で上昇~立地・環境で選別進む~商業地上昇、海外勢けん引』の記事によれば、
●東京近郊や再開発が進む地方の中核都市が上昇している反面、東北や四国では下落が続く「二極化」が進んでいる
●期待利回りと長期金利の差による魅力に加え、ドルを元手に円を有利に調達しやすい環境が重なり、海外勢が都市部の商業地を積極的に取得している
だそうです。
このまま続くといつか都市部の優良ビルは海外勢に押さえられてしまうかもしれませんね。
この先100年以上に渡り人口も世帯数も減少の一途をたどりますので、都心部に「人」が集中する事態は避けられません。
「では地方を切り捨てるのか!」と言われると辛いのですが、どこかで割り切って考えないと、電気ガス水道、公共交通機関、医療介護福祉、学校・教育等ありとあらゆる全てのインフラが維持できなくなるのは明らかです。
今すぐ何かが大きく変わる訳ではありませんが、孫の代まで考えるなら、地方の不動産の先行きは相当苦しいと言わざるを得ません。
相続とは財産を含め先代から継いできた色々なものを次の世代に承継していく人生の一大イベントです。
先のことは誰にも分かりませんが、時には厳しい意見も言わないといけないでしょうね。
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