投稿日:2023年4月24日
令和5年4月19日(水)付の新聞に、『中小の事業承継円滑に~「望まぬ廃業」増加を防ぐ~』の記事がありました。
先日「相続」についてIT・デジタル化により手続きを簡素化する記事(『相続手続き 脱アナログ~テックで課題解消に一役~』)がありましたが、「事業承継」の場でもデジタル化の波が押し寄せているようです。
記事では、
「登録内容を分析した人工知能(AI)が、営業譲渡や株式譲渡など十数種類のM&A手法から売却金額が高くなりそうな2~3種類を提案。その後、業務の工程ごとに具体的に何をすべきかも指示していく。」
「煩雑な書類作成は不要で、事業概要など9項目を入力すると、全国からオンライン上で買収交渉希望を受け取れる。」
「事業承継に興味を持つ会社員らを対象に、経営の知識やノウハウを教えるオンラインコミュニティーを今夏に立ち上げる。」
等とあります。
色々と言いたいことがある人、多いのではないでしょうか?
確かにIT・AIの活用により、今までマンパワーでこなしてきた膨大な作業は格段に効率が良くなるでしょう。浮いた時間を別の仕事に振り向けられますから“確度”も上がると思います。
しかし、第三者間における事業承継はビジネスライクに進みません。売り手、買い手、仲介者、関係する全ての「人」により、その先が決まります。もちろん中には「高い」「安い」だけが判断材料だとドライに割り切っている人もいますので、100%ではありませんが。
そもそも、僕はM&Aが双方代理できることが問題だと思っています。
記事では、「M&A支援に売り手が支払う費用は5000万円以上が業界の相場」とあります。
買い手も手数料を払いますから、成約した場合、恐ろしい額の報酬が発生することになります。
これが業務の対価として正当なのかどうか…。利益相反する関係にある売り手と買い手双方の代理を行うことが倫理的にどうなのか…。
当然M&A仲介会社は「正当な対価である」「業務内容に見合っている」「成功報酬なのでリスクを負っている」等と言うでしょうが、皆さんはどう思いますか?
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