投稿日:2023年8月11日
令和5年8月9日(水)、東京で相続実務研修『吉澤塾<遺言・争族コース>』の第5回講義を行いました。
今回は、第1回講義で未消化となっていた『遺言トラブル』に加え、『遺言書文例集』を基にした遺言作成の実務について講義しました。
遺言を巡り争いとなる原因の一つに遺言能力の有無があります。
「認知症だった父が遺言を書けるはずがない」「寝たきりの母が作成した遺言書が出てきた」等、果たしてこれは遺言書が自らの意思で作成したのだろうか…?との疑念がトラブルを生むのです。
とは言え、遺言能力は形式的に計れるものではなく、その基準は一律ではありません。認知状態を確認する一つの方法として長谷川式スケールがありますが、あくまでそれは簡易的な検査に過ぎず、点数が実体を正確に反映している訳ではありません。
しかし、多くの現場で長谷川式スケールが採用されていますので、今回の研修でも塾生の代表者の方を対象に実施してみました。
結果は、見事30点満点!いつでも遺言作成できます。(笑)
今回の講義で塾生の関心・驚きが一番大きかったのが死因贈与。聞いたことはあってもあまり目にしたことがない契約行為だと思いますが、実は(意外と?)使えるスキームなんです。
講義後半は僕が作成した『遺言書文例集』を基にした遺言作成の実務。
言葉一つに意味がある、何故A案件では入れて、B案件では入れないのか、全ては出口から逆算して考えるのです。
遺言が日の目を見るのは遺言者が死亡した後ですから。相続後にどのような事態が起こるのか、どうすれば遺言者の希望が叶うのか、逆算して今を考えることが出来なければ遺言を助言することはできません。
講義の後は懇親会「裏吉澤塾」
レベルの高い講義を真剣に学んだからこそお酒が美味しいのです。
次回はいよいよ最後の講義。
今回は受講者全員に遺言作成の宿題を出しました。次回は各自の遺言(案)を基に、その意図、効果等について検討すると共に、こうすればもっと良くなる、こういう方法もあるのではないか等、正解のない問に挑戦して頂きます。
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