ブログ「相続の現場から」

相続実務ワンポイント『「空き家の3000万円控除」に要注意』

投稿日:2024年12月4日

令和6年度税制改正で、買主購入した家屋取り壊す或いは耐震工事を行う(以下「工事等」という)場合でも、売主「空き家の3000万円特別控除(以下「空き家控除」という)適用を受けられるようになりました。

 

但し、買主による工事等譲渡の日から翌年の2月15日までに完了させる必要があります。

 

昭和56年5月31日以前建築された家屋が対象ですから、耐震工事を行う例は少なく適用を受けている事案のほとんど既存家屋の除去(解体)だと思います。

 

買主既存家屋を除去した上で、売主空き家控除適用を受ける場合、

①まず買主に「家屋全部の取壊し等完了日の確認書(閉鎖事項証明書)」を取得してもらい、

②それを添付し家屋の所在地である市区町村に「被相続人居住用家屋等確認書」の発行を請求し、

③それを添付し税務署へ確定申告する

必要があります。

 

つまり、買主が期日(翌年の2月15日)までに工事等を完了させないと、買主は空き家控除の適用を受けることができず高い税金を負担することになってしまうのです。

 

そのため、売買契約書等契約書

①買主は、○月○日までに工事等を完了させなければならない。

②買主は、○月○日までに「家屋全部の取壊し等完了日の確認書(閉鎖事項証明書)」等の必要書類を売主に交付しなければならない。

③買主の事由により売主が空き家控除の適用を受けられなかった場合、買主は売主に対し損害賠償請求の責を負う。

等の特約盛り込んでおきましょう。

 

後になって「こんはずじゃなかった…」とならないようご注意下さい。

 

*参考:国土交通省空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)

 

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