投稿日:2024年12月2日
この時期になると来年度の税制改正の行方が気になります。
先月から本格的に税調の議論が始まりましたが、与党が(国会で過半数を握ることができず)野党の意見を聞かざるを得ない状況のため、全く先が読めません。
とは言え、(少し気が早いですが)現時点で漏れ聞こえてくる情報を基に勝手に令和7年度税制改正について書いてみたいと思います。
①103万円の壁
どうやら「見直す」と税制改正大綱に記載されるようですが、実際に改正されるのは令和8年度に先送りされるようです。
国民民主党の主張通り178万円に壁を引き上げると、パートの主婦やアルバイトの学生の手取りは増えますが、実は一番恩恵を受けるのは高所得者ですので、単純に壁を引き上げるだけだと金持ち優遇となってしまいます。恐らく何らかの措置が講じられるのでしょうね。
また、学生を子に持つ親の特定扶養控除も見直さないと「子がアルバイトに精を出すと親の税金負担が増す」という世帯単位で考えたら意味なしの状況になってしまいますから、ここにもメスを入れる必要があります。
更に、社会保険の壁も見直さないと手取りは増えませんから、税だけでなく「税+社会保険」で改正するとなると大きな見直しになります。
②退職金課税
令和7年度税制改正大綱に「退職金に係る課税を見直す」旨の記載がありましたが、今回は見送りとなる様子です。
手取りを増やすことの妨げになる他、勤続年数による格差を是正するとサラリーマン増税になると反発を食らうからです。
③結婚・子育て育児の一括贈与
ようやく廃止になりそうです。
誰も使っていませんし、子を産み育てられるのは金持ちだけと一部の怒りを買っているおかしな制度ですから、廃止は当たり前だと思います。
例年なら12月中旬には税制改正大綱が発表されるはずですから、全容が判明するまでもう少し待ちましょう。
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