投稿日:2025年2月10日
令和7年1月28日(火)付の新聞に、『自宅担保に改修資金借り入れ~70歳以上金利負担ゼロ~国交省』の記事がありました。
高齢世帯が暮らす家屋の耐震改修を後押しするため、国がリバースモーゲージを使いやすくするといった内容です。
これは良いことだと思うのですが、なんかスッキリしない…。
リバースモーゲージとは、自宅不動産を担保に生活費やリフォーム費用を借りるローン商品です。自宅に住み続けながらお金を借りることができ、毎月の支払いは利息のみ。契約者が死亡した際に、自宅を売却する、或いは相続人が返済する等の方法により一括で返済します。
国は、債務者が70歳以上の高齢者の場合、毎月の返済負担をゼロにしようと考えているそうです。60歳以上70歳未満の場合は金利負担を3分の1に抑えるそうです。
金利負担が軽くなる(70歳以上であればゼロになる)ことは良いことです。これから金利は緩やかに上がっていくでしょうから、タイミングもいいですね。
僕が手放しで喜べないのは、「そもそもリバースモーゲージという商品は本当に有益なのか?」についての答えが出ていないから。
自宅という資産(不動産)はあってもお金がない人が、住み慣れた自宅に住み続けながら豊かな老後、安心な暮らしを送れるという面から考えると良い商品だと思います。
特にそのお金が耐震性に問題がある家屋の改修工事に充てられるのであれば、防災に資するため、安心・安全の観点からも良いことだと思います。
しかし、借金することには変わりませんから、親子で話し合えばリバースモーゲージを申し込まなくても解決できる場合があるのに、安易にリバースモーゲージを申し込んでしまっている人もいるんです。
特に、お金を貸したい金融機関に相談してしまうと、何とか契約に至るように上手く誘導されてしまいます。
以前、親が死亡し、思い出が詰まった実家を相続したいと相続人である子が希望したものの、親がリバースモーゲージでお金を借りていたため実家を売却せざると得なかった人がいました。
それは、担保に供していた自宅の評価額が大幅に下落し、上限に達していた借入額を完済するために相当な額の資金が必要だったからです。子はその資金を調達することができず、泣く泣く実家を手放すことに同意しました。
親はリバースモーゲージにより借り入れたお金で豊かな老後を送れたかといったら、資金に余裕ができたことで無駄な買い物や余計な工事が増えただけでした。
それが親の希望だったと言われれば返す言葉はありませんが、借り入れる前に親子で話し合い、親の意向、子の意向を確認すれば、借りれせずに済んだかもしれません。
勘違いして欲しくないのですが、リバースモーゲージそのものを全て否定している訳ではありません。
メリット・デメリットをよく考え、家族間で話し合い、納得の上取り組んで欲しいと思っているだけですので…。
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