投稿日:2025年12月3日
令和7年11月16日(日)付の新聞に、『終の棲家 都会に求める~75歳以上の移住3割増~医療充実・子の近くに』の記事がありました。
この記事を読み、「そうだよね」「その方がいいよね」と思う反面、とは言え…と複雑な気持ちになりました。
記事では、他の市区町村に移り住む75歳以上の後期高齢者が10年で3割増え「老後移住」が活発になっている実態が紹介されています。

移住先として多いのは都会や比較的大きな都市。
都会で暮らした方が、医療や介護の施設が充実している、買い物や通院が便利、雪かき等身体に負担がかかることをしなくていい、子が近い、子が来やすい等の利点があります。
高齢者が集中することで多数の高齢者が暮らす市区町村の社会保険の財政や人的資源が圧迫されてしまう懸念はありますが、一方医療や介護の施設や高齢者住宅等を集約することで都市機能の効率を高めることが可能になるため、新たな街づくりの好機になりうります。

時代の流れですし、少子化や高齢化の波は収まりませんから、高齢者の都会移住は仕方ないと思います。その方が子や周囲の人達にとっても良いことだと思っています。
しかし、実際に移住する高齢者にとっては辛いことではないでしょうか。
以前「田舎で一人暮らしだった親を都会にある自宅に引き取った所、都会での暮らしに馴染めず、友達がいないため外に出歩く回数が減り、元気がなくなり、ボケてしまった」という方がいました。
しかし、じゃあ子が田舎で親の面倒を見ることができるのかと言ったら、子の教育や仕事等、現実的には不可能です。
仮に親が施設に入ったとしても、会いに行く機会は限られ、経済的な負担もあり、「一緒に暮らしてくれる子がいるだけ有難いこと」と割り切るしかありません。
正解はありません。
複雑な心境です。
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