投稿日:2021年6月1日
令和3年5月31日(月)付の新聞に『「事故物件」告知 病死は不要~殺人・自殺・火災による死亡、賃貸は3年後~国交省、不動産契約で指針案』の記事がありました。
国土交通省が、入居者が死亡した「事故物件」について不動産業者が契約者へ告知しなければいけない事項に関する指針案を公表したものです。
指針案は次の通り。
<告知する必要がない事項>
●病気や老衰等の自然死
●入浴中の転倒や食事中の誤嚥等の不慮の事故死(すぐに発見された場合)
<告知する必要がある事項>
●自然死や不慮の事故死であっても、死後長期間発見されず特殊清掃が行われた場合
●殺人や自殺
●火災やガス漏れ等による事故死
●原因不明の死亡
何年前の事故まで遡って告知する必要があるかと言うと、
●賃貸契約…おおむね過去3年以内
●売買契約…期間の定めなし
となっています。
事故に関する情報の収集については、不動産業者が通常の物件情報の収集の範囲内でOKとなっており、周辺住民への聞き取りまでは求められていません。
「借金して賃貸物件取得」は今も昔も相続税対策の主役ですが、そこには当然リスクがあります。
入区者確保、賃料下落、維持管理コストの上昇、周辺環境の変化、借入金利の上昇等色々なリスクがありますが、入居者が自殺してしまうリスクの影響は甚大です。自殺者の遺族へ賠償を求めた事案もありますが、先々の事業運営を考えると賠償で元が取れるかと言うと…なかなか難しい問題です。
一方、指針があっても、契約者にとって、告知するか否かの判断、告知するにしても何を告知するかは不動産業者に委ねられていますので、その意味では「いかに誠実な不動産業者に相談するか」が一層重要になります。
オーナー、入居者、ともに色々と考えないといけませんね。
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