投稿日:2022年9月30日
令和5年度税制改正に向けて、金融庁が要望した「NISAの抜本的拡充」の概要が明らかになりました。
ただでさえややこしく、使い勝手の悪いNISA制度はどうなるのか、要望案を見ていきましょう。
①現行3つある「つみたてNISA」「一般NISA」「ジュニアNISA」を一本化する。
②NISA制度を恒久化する。
③「つみたてNISA」を基本とし、年間40万円枠を拡大する。
④「つみたてNISA」とは別に、成長投資枠として別途年間投資枠を設定する。
⑤「つみたてNISA」と「成長投資枠」の併用可能。
⑥(金持ち優遇と批判されないよう)一生で使える非課税限度枠を設定する。
⑦NISA内の甲株式を売却し空いた非課税枠で乙投信を取得できる等、スイッチングを可能にする。
⑧ジュニアNISAの対象年齢を0歳以上とする。
NISA制度の何が問題かと言うと、とにかく分かりにくいこと!
●購入した商品を売却したらその非課税枠は二度と使えなくなってしまう
●期限があるのでじっくり腰を据えて運用できない
●2階建てやロールオーバー等、制度が複雑すぎる
広く国民に活用してもらおうと思ったら、一番大事なのは「使い勝手」
非課税の恩恵が受けられれば皆やるだろう…なんて考えが甘すぎます。
結果が全てを物語っています。
改正された場合、現行の制度からの移行が終わらないうちはまだややこしさが残りますが、移行が終わればシンプルになる…のかな?????
お手並み拝見ですね。
岸田政権が掲げる「資産所得倍増計画」実現のためには、お題目だけで一向に動かない「貯蓄から投資へ」を根付かせる必要があり、そのためにはNISAやidecoの拡充は避けて通れません。
特に、制度が複雑で分かりにくい現行のNISA制度の見直しは待ったなしです。
さて、あくまで金融庁の要望の段階であり、実際に実現するかどうか、実現するのであればどう変わるのか分かりませんが、(過去の例で考えたら)あまり期待しない方がいいかもしれませんね。
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