ブログ「相続の現場から」

新聞の見方『タワマン「築30年」1割、迫る老い』

投稿日:2024年5月29日

令和6年5月6日(月)付の新聞に、『タワマン「築30年」1割、迫る老い~住民も高齢化 大規模修繕の支援体制カギ』の記事がありました。

 

タワマンには、「建物の老朽化」「住民の高齢化」という「2つの老い」が忍び寄ると警笛が鳴らされています。

 

 

バブル期前後に建築され、築30年以上経過するタワマンは全体の約1割を占めるらしいので、これから本格的タワマン闇の部分顕在化してくるでしょう。

 

記事では、

●タワマンは立地の良さや利便性が評価され資産価値が高いとされてきたが、適切に管理されなければ快適さや安全性が損なわれ、価値も落ちかねない。

●タワマンの歴史はまだ浅く、管理方法は理論的にも技術的にも確立していないため、一般的なマンションと比べて大規模修繕や建て替えが難しい。

●管理組合の役員のなり手が不足し、合意の形成が難しい

等と指摘しています。

 

 

そんなことは数十年前から言われていたことですが、“造ること”優先され続けてきたため、今頃になって焦っている人がたくさんいるのでしょう。

 

僕は昔から絶対に住みたくない物件としてタワマンを挙げています。(高くて買えないヒガミが若干入っています。)

 

その理由は次の通り。

 

①将来、修繕や管理の面で揉める可能性が非常に高い。

②所有者数、入居者数が多いため何をするにしても合意形成が難しい。

③地震が発生したらエレベーターが止まり、自分の部屋に戻るのが困難。

④その場合、支援物資や宅配便が1階に届いても取りに行けないし、部屋まで運べない。

⑤火災が発生したら死亡する可能性が高い。(消防署に配備されている最もポピュラーな30m級のはしご車は10階までしか届きません。50m級ならば15階、40m級ならば13階まで届きますが、全ての消防署に配備されている訳ではありません。)

⑥上下階の居住者間でヒエラルキーが存在する。

⑦投資目的として所有している人が多く、自分が暮らす訳ではないので住環境に対し関心が薄い。

 

特に、と④の震災時の対応⑤火災が発生した場合のリスクは、安心安全な暮らしを支える根底ですから、全くタワマンに魅力を感じないどころか、逆に安くても住みたくありません

 

 

そもそもタワマンに限らず、マンション関係者の運命共同体ですから、自分一人が頑張っても何もできません自分の意思とは無関係に、多数決で物事を決めるしかないのです。

 

登場人物多くなればなるほど合意形成難しくなるのが世の常です。

 

タワマンステークスホルダーは、国籍年齢バラバラ居住者もいれば賃貸中の人もいて、それぞれの価値観文化が異なり、登場人物カオスですから、どうなるかは火を見るより明らかです。

 

ですので、いくらタワマン「夜景がきれい」「利便性がいい」「ステーテスがある」と言われても、全く住みたいと思いません

 

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